東京国際映画祭
アジアの風部門「silk」
2006-10-26(thu)&10-29(sun)
感想(日本上映前のため、ストーリーにはあまり触れていません)


26日に初めて見た時は、江口君は別として、正直こんなもんかなぁ〜〜と思ったのも事実。
なんだかあっさりしていて、悪くはないけど、物足りないというか、もうちょっと濃いものがほしかったってね。

それが2度めは、これ、結構イイじゃん。に変化した。なぜだがわからないが・・。
気になったのが、26日の上映では笑い声は皆無だった気がするのに、29日はいろんなところで笑いがおきた。つられてというか・・私も多少クスっ(笑)っとする部分はあったものの、「え?そこで笑うの?・・・・え?、こんなとこで笑っちゃうわけ??」的なものがあった。ものすごく違和感を感じた。

江口君の役は足の不自由な科学者。
ものすごい負のエネルギを持っていて、人生に絶望しているような役。
死がいつも目の前にあって、どうすればそっちの世界にいけるかって、頭のなかはそんなことでいっぱい・・という役。

形からいうと完璧。
あの顔半分隠れた・・鬼太郎を大人にし・・2枚目にしたような髪型。
そして暗い色づかいのスーツ、同系色でまとめたシャツにネクタイ。
不自由な足をささえる杖。

不自由な足のせいで、片足のばしたまま椅子にこしかける姿は鳥肌がたつ。
死んだ目をして語り、死神に取り付かれたような声・・。
それら、ひとつひとつが江口君演じる「橋本」という科学者だった。

人生をあきらめ、捨てきっている声と、死んで幽霊として存在することに希望を見出した声が、まったく違っていた。人間の深層をスクリーンの中で充分見せてくれた。
セリフの抑揚がどうとか、演技がどうとか・・そんなことよりも、半分壊れかけているこの科学者の、不気味な雰囲気がスクリーンの江口君に漂っていた。それがなんとも素晴らしかった。

たしかにストーリはチャン・チェンを追っている。
チャン・チェンがこの「Silk」という映画の答えを見出していく。
そして、チャン・チェンは演技がうまい。深みもある(たぶん・・)。

だけど、足の不自由な科学者の、スクリーンに漂う・・なんともいえない雰囲気がなければ、この映画は成立しない。そんな気がした。
それを江口君は見事に見せてくれた。

長かったよ、ずっと私は待っていた。
こんな江口君が見れるのを・・。







で・・・結局、日本での上映はなさそうだ。というわけで、詳しいストーリー&感想を知りたい方は
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