五右衛門ロック  SHINKANSEN☆RX
2008・7・8〜28 東京公演 新宿コマ劇場



キャスト
石川五右衛門 古田新太
真砂のお竜 松雪泰子
カルマ王子 森山未来
岩倉左門字 江口洋介
貿易商人 川平慈英
貿易商人 右近健一
ボノー将軍 橋本じゅん
シュザク夫人 濱田マリ
ガモー将軍 粟根まこと
インガ 高田聖子
クガイ 北大路欣也




2008・7・9(水)・23日(水) 観劇


前回の舞台から2ケ月ちょっとしかたっていないので、結構平常心モードで五右衛門は待てたと思う。なんかやってくれるんじゃないかな〜という期待感は、願望というよりは当たり前の感覚として、私の中にあった。

まずは、コマ劇場の上に飾られてある、キャストの看板に釘付けになる。初めてネット上で見た時から、ハートはやられっぱなしであった。そうそうこれよ、こんな感じ〜〜そんな言葉で脳内がいっぱいになる。チケットに書いてあった会場時間より15分前から入れるようであった。

事前にグッズの内容は聞いていたが、シビアな私としては欲しいと思うものもなく、さりとて記念に〜とか思うピュアな気持ちも枯れ果てていたので、プログラムだけ注文した。CDは店頭発売後、観劇する予定があるので、その時に買うことにした。予約すると送料取られるしね。

開演まで30分近くあるということで、少しばかりロビーをウロチョロする。
誰か芸能人いないか〜〜?と目をこらすが人が多くて・・ま、こんな早い時間にいるはずもなく、仕方がないのでさっさと席につくことにした。

17列の真ん中近くということで、かなり良席だった。
1人で行ったため、通路側だったのもよかった。
コマ劇場に初めて来たので、物珍しくキョロキョロする。
すると、そこいらじゅうに車内販売ならぬ場内販売のお兄さんお姉さんたちがいるではないか。飲み物あり、おにぎりあり、サンドイッチあり・・アルコールまで売っていた。開演中飲食できませんと何度かアナウンスが流れたが、言っていることとやっていることが、こんなに反比例するのも珍しい。しばし人間ウォッチングをしていて、見たことあるような見たことないような、知り合いのようなそうでもないような人が何人か目に入ったが、自信がないのであまり視線を合わせないようにしていた。(笑)

リリ〜〜ンだか、ジジィ〜〜ンだか定かではないが、発車ベルのようなものがなり幕があいた。




ネタバレあり


1部で左門字は、かなり早い段階で登場するんだけど、あまり長居はしない。出たり引っ込んだりの繰り返し。私は、コマの看板の天草四郎みたいな麗人??で出てくるとばかり思っていたので、憑神の勝海舟と新撰組!の龍馬を足して2.5で割ったみたいな地味さに、あらまって感じだった。それでもカッコイイから、文句はないけど。

1部では、金魚のフンみたいに、五右衛門の後ばっか追いかけていて、2人のやり取りがこれまたコントっぽいので笑った。五右衛門を海の向こうまで追っかけて嵐に襲われ島に流れ着くって設定なんだけど、そこに島の軍が襲って、左門字と五右衛門が結託して逃げる。そこが左門字としては見せ場っちゃ見せ場かも。五右衛門が逃げないように紐で結んでいるため、戦おうとしても紐がビョ〜ンビョ〜ンジャマして、そこらへんの動きが面白かった。
1部では、お間抜け全開の左門字だったけど、特別歌うでもないので、チョコチョコ出ては消えてしまうので、あ〜もう行っちゃうの??って感じだった。

松雪さんなんて、初めっからガンガン歌っているじゃない。ホント、驚いちゃった。衣装がとにかくセクシーで、着物の間からそこまで出しちゃっていいの?ってくらい脚が見えて、ドキドキものだった。ちゃんと見えないようになっているか、見えても大丈夫なんだって、わかっちゃいるけど興奮??(笑)お色気ビーム満載だった。
でもどっちかというと怒ったりキレかかったりしている松雪さんのほうが、らしくて好きかも。かなり、ハジケていたようで、そこらへんは脱帽した。ここまでやっちゃうの??って箇所がいくつかあって、女優さんではなく、役者さんだよなぁ〜と感心した。でも、え?また歌うの??って何回か思ったことは事実。

タタラ島と戦争していて、攻めこんでいくのがカルマ王子の森山未来クン。
この人の見方が変った。
メイクのせいで、顔は別人のようだったけど、歌はうまいし、動きのキレ具合は、他を圧倒。あきらかに違う。TVで見る森山未来は、個性派だけどそれ以上のオーラみたいなものは、感じられないのに、舞台では光り輝いていた。と同時に、舞台の上では自分が一番、誰にも負けたくないというプロ根性みたいなものが、ひしひしと伝わってきて、若さって武器をまざまざと見せつけられた。森山クン以外のキャストがみんな大人だったことは、彼にとってものすごく幸せなことじゃないかなと思う。何年か後に、そのことに森山クンが気づくと思う。

そしてタタラ島のクガイ王が、北大路欣也さん。
北大路さんが出てくると、面白お笑い劇みたいなものが、ホンモノのお芝居に見えてくる。存在感というか、そこに立っている、そこで声を出す、それだけでマジメな空気が流れる。
結局、五右衛門も左門字もタタラ軍に捕まっちゃって、月生石の採掘所に連れて行かれ、そこで1幕はだいたい終了。


2幕目は、採掘場の女所長?インガ役の高田聖子さん登場。
このインガが五右衛門の元カノで、今はクガイの女・・らしい。
五右衛門とインガのやり取りは、新感線メンバーらしく息もぴったりって感じで、ぐいぐい引き込まれた。聖子さんの歌がいいんだわ。新宿コマってこともあって、小林幸子調に情感こめつつ、歌の終りには口パクで「ありがとうございました」って深々とアタマ下げるし。コネタ満載。


さぁ、そしてやっと左門字の出番が・・。
クガイとやり合ってケガしたカルマ王子をつれて、なんだか歌声の聞えるほうに歩くと、ホッタル族がいた。左門字デカイし、カルマちっこいから、このデコボコンビが並ぶだけで、保護者空気満開になる。左門字は、なんだかんだいいつつ、孤島の王子カルマのことが、気になる存在とみた。きっとほっておけないんだろうね。そんなとこも左門字の人のよさが伝わってくる。
カルマの腕にクスリを塗ってくれたホッタル族が、左門字にギターを渡す。渡すといえば聞えはいいが、ほとんど無理やり押し付ける。

「こんなものは・・みたことがないぞ・・」

客席でドっと笑いが起きる。

「いやぁ〜無理だ・・。無理だ・・」

そんな左門字のつぶやき言葉など、ホッタル族は聞いちゃいない。

「さ、も〜〜んじぃ〜〜!」

もう、アンタはやるっきゃない。
柔軟なホッタル族のわりには、無言の押し付けが強いようだ。

「え〜〜そ、そうかぁ〜〜?」

じゃら〜〜ん♪

客席は大喜びですよ。ギタージャラ〜ン♪しただけなのにさ。

「ララランララ♪ララン♪〜」

とか、ララララ言っているところまでは、一応左門字なんだけどね。
その後、見た目は左門字なのに、中身は江口洋介に大変身。
ギターかかえて立ち上がって、歌いながらステージ真ん中まで躍り出てくる始末。これが喜ばないでいられるかって話よ。
ものすごい演出だなぁ〜と思った。
一瞬「何が起きているの?」と思いつつ、いいの??いいの??これ、盛り上がっちゃっていいんだよねっ!!!って、確認する相手もないから、自分に確認して・・・。

歌が終ると同時に、左門字モードに戻る江口君。
ここがまた、楽しかった。

その楽しいムードの中に再びクガイが現われちゃって、ピリっと空気が一変。左門字の歌にあわせて、ヘラヘラ踊っていたカルマなのに(本当は全然あってないが・・)、クガイと闘おうとするんだよね。ここらへんは親子のいい芝居で見せる。

で、この後なんだけど、悪徳商人の慈英さんが出てきて、左門字に月生石を手に入れて、秀吉に持ってかえればお手柄だぞ〜〜と、それが忠義ってもんだぞ〜〜と、ささやくわけ。

ここで慈英さんと掛け合いで歌うんだけど、コレが絶品。

もう慈英さんがスゴイの、うまいの。←そっちかよっ。
いえ、うまいなんてもんじゃなく、どう歌えばうまく聞えるのか、知り尽くしているっぽい歌い方なのよ。なんかイヤミだったかしら私。

「わぁ〜〜〜〜」とか歌うとこを「ぐぅわぁ〜〜〜あぁ〜〜うひゃぁ〜〜〜」とかいう感じ。(笑)
で、江口君はといえば、キレイに伸びやかに正統派で「わぁ〜〜〜」と歌っている。それでも、聞かせていた。それでも上手かったわ。江口君は江口君が持てる最大限以上のとこまで、歌って魅せてくれた。だからこそ感動できたんだと思う。


この後から左門字が変わってくる、自分の意志で自分の感情のまま行動するの。今までは役人として五右衛門を追うだけで、他のことはどうでもいいって感じだったのに・・・。その徐々に変化していく様子が気持ちよかった。
左門字って助太刀が好きだってことも・・どんな状況でも必ず名乗りを入れたがるとこも人気がでる秘訣じゃないか。(笑)

終盤の大見得は身体中の血管が踊ってくるような興奮があった。
カルマ、左門字、お竜、五右衛門と続くのだけど、これはやっている本人たちそれはそれは気持ちがいいだろうな〜と思う。もちろん、緊張するだろうけど、快感でしょうね。それがド〜〜ンと伝わってくるんだもの。誰が一番とかじゃなくて、みんないい。4人の合作だからこそ拍手喝采なんだろう。これが見れただけで、90%は満足できちゃうというほどだった。

後は、最後にタタラ島から脱出する五右衛門一行を、ひとり手作り船みたいなので追っかけてくる左門字に大喜びした。松雪さんが最後オイシイとこかっさらっていきます〜ってインタビューで答えていたけど、私的には、最後の左門字がかっさらった感じだった。


カーテンコールでは、初めてのスタンディングオベーションとやらを体験した。こんなに感動するものだったとは・・・。
満足につく満足で劇場を後にした。
ただただ楽しい時間だった。


2008.8.10著