GOEMON 2009・5・1(金)公開
監督 紀里谷和明



石川五右衛門 江口洋介
霧隠才蔵 大沢たかお
浅井茶々 広末涼子
猿飛佐助 ゴリ
服部半蔵 寺島進
石田三成 要潤
徳川家康 伊武雅刀
豊臣秀吉 奥田映二
織田信長 中村橋之助
千利休 平幹二朗





2年前に、あの、(笑)紀里谷監督第2弾の主演が江口君って聞いた時は、「え〜???!!!」と思ってしまった。この「え〜??」には、いろんな意味が含まれている。ちょうど舞台「五右衛門ロック」も発表されていたため、どっちかといえば私の中では舞台にかなりの比重&期待をこめていて、映画のほうはオマケ的な気持ちだった。スクリーンで江口君が見れて、それにともなって多少番宣でTV出演などするなら、儲けものかな〜〜程度で・・。かなり失礼ではあるけど、紀里谷監督の映画っていうと、私はそんな認識だった。

なので、ちょっと驚かされました。
GOEMONがこんなに江口君にハマるなんて・・。そのものじゃないですか。すべてが実に見事なキャスティングだった。こんな言い方はよくないのかもしれないけど、ここまで江口洋介をカッコよく撮ってくれて、ホントありがたいというか、感謝というか・・。

たぶん、GOEMONそのものがカッコよくて、それを江口君が自分のものにして、GOEMONを奪い取ったんじゃないだろうか。江口君が演じるGOEMONがカッコいいんだか、GOEMONを演じる江口君がカッコイイんだか、映画を見ているとごっちゃになってしまう。そして、最終的に江口洋介がカッコよかった・・・になる。(笑)

とにかく冒頭の盗みっぷり姿に、いきなりハートをつかまれた。黒マスクだかなんだか??だけど、顔半分隠した姿って、どうしてあんなにセクシーなんだろう。(笑) 半分コミカルGORMONは、これからの展開にワクワクし、ゴージャス感が心地よかった。しかし手が宙を飛んだり血がどひゃ〜ってのには、思わず目をそらしてしまう。これは子供にはちょっとキビシイかな。

それぞれのキャラだけど、伊武さんは相変わらず狸オヤジみたいな腹に一物ありキャラだし、秀吉のねちっこさというか、コイツには絶対関わりたくない感覚??を奥田映二さんは映るだけで表現しちゃっているし、なにゆえ歌舞伎の橋之助が信長??って疑問も、人間ごじゅう〜〜ねぇん♪♪で、もう信長は橋之助しかいない!!とまで思わせてくれちゃうし・・。本当に楽しく、意外と奥がある映画だった。(深いとは言わないけど・・・)

少女の頃の茶々に友達はいるか?と聞かれ「1人」と答えるGOEMON少年。ライバルだけど友達でもあったんだなぁ〜〜。そこが妙にお気に入りだった。茶々を守ることがGOEMON少年の使命だったわけで、信長が生きてさえ入れば、GOEMONの運命も違ったのにねぇ・・。でもって、その信長を殺した悪名高き明智光秀がきりやんだとは・・・。(いきなり、きりやん登場(笑))。最初、誰この男前・・なんか監督に似ているっぽいけど、まさか・・と思いつつ、ああ・・あの人なら・・とも思っちゃったりして。(笑)

信長の死後、侍になりたい才蔵と自由になりたいGOEMON。なんだか才蔵の気持ちもわかるわ。結局さ人生って平凡で安定が一番幸福なのよ・・って、そういう問題じゃないか(~_~;)。自由を謳歌するGOEMONが結果的に周囲を巻き込んで傷つけていく。才蔵の言うことは、いちいちまっとうなご意見なのだけど、そうはいいつつ人はGOEMONみたいな生き方にあこがれるのよ。といって一緒に暮らすにはNGなんだけどさ。

映画としては、才蔵が煮えたぎる釜の上で「俺が石川五右衛門だ!!」と叫びながら大見得切るところが、クライマックスだなぁと思った。見終わった後、もっとも印象に残り、もっとも感動したのがそこだ。釜茹でになった石川五右衛門は、実は才蔵だったなんて、思わずほくそえんでしまう。

しかし、屋根から屋根へ、柱から柱へ、ぴょん吉カエルしちゃうあのGOEMONが、なにゆえ才蔵の赤ん坊を助けられないかっ!!「ちょっとどいてくれ、通してくれ!!」人をかきわけながら歩くGOEMONなんて・・みたくないっての。人の肩から肩へ走り抜けるべきでしょうが・・・。そりゃぁ、五右衛門&子供も釜茹ってのが伝説なのでいたしかたないけど、それならさっと人形かなんかとすりかえちゃうとか・・だめ??。五右衛門を名乗る才蔵のカッコよさと裏腹に、あの時のGOEMONのトロさといったら・・あんまりだわよ。どんだけお間抜けなんだよ・・・。としか思えなかった。

話の盛り上がりとしては、そっから先はいらなかったんじゃないかなぁ〜って思うんだけど、どうしてどうして・・・あの釜茹があればこそ、GOEMON覚醒が始るわけで・・GOEMONの信長化した甲冑姿も、半蔵に抱きかかえられて切なげなまなざしも、最期に目にした蛍の絶景も、江口君の名演技がなくなっちゃうってのも、あんまりなわけで・・。前半の見せ場とはまったく違う、後半の見せ場にGEMONの存在をスクリーンに焼き付けた。要所要所、ここぞという時のGOEMONの表情がとてもいい。たった2つの目だけで、すべてを表現してしまう・・・。何度も言うけど、これが江口君の最大の武器なんだから、この1点において、敵なし・・でいいじゃないか。

で・・・、佐助はなにゆえああいう結末なんだ??才蔵の妻子の元に雨の中かけつける時、「だからやっかいなことになるって!何度も言ったんだっ!!」って、GOEMONに向かって叫ぶ佐助は、よく理解できた。こんなにアンタのことを想って心配したのに・・って気持ち、すごいよくわかる。だからGOEMONから離れて、家康についたのも理解できる。そして家康に迫ってきたGOEMONを討つのもわかる。わからないのは、家康を討とうとしたやつを俺は討った。褒美はどこだ!!って叫び勝ち名乗りをあげるのはなにゆえなのか・・・。全然わからない。あんだけ自分が助言したのに、耳を貸さなかったGOEMONに対して、愛情の裏返しとしての行為じゃなきゃ、GOEMONも浮かばれないよ。でも、だからこそ、それが戦なのかもしれないね。わかるようなわかんないような・・・結末だった。

2回ほど見たんだけど、どちらも客は少なかった。本当はもっと人気が出てもよさそうなものなのに・・・。実にわかりやすいストーリーだし、大エンターテイメントで華やかだし・・。
ただ・・2回目に見た時、前半のGOEMON VS 才蔵のシーンに飽きた。なんであんなに長いのだろう。あそこはCGの見せ場で腕の振るい場なのかもしれない。でも、目いっぱい頑張っちゃっているようで、それが足をひっぱっているような気がしてならない。こんなこともできるし、あんなこともできる。どうよ、すごいだろう〜っていうよりは、もう少し見たいのに・・もったいないよって微妙なさじ加減がほしい。こんなふうに思うのが、いかにも日本人的感覚でダメなのかもしれない。でも・・だって私は日本人なんだもん。奥ゆかしいのよ・・(笑)。エンターテイメントなのに、万人向けではないってのは、もったいない。

2009・5・21著