フジTV
〜〜父の日スペシャル〜〜


パパの涙で子は育つ
金曜プレステージ 2007.6.15(金)21:00〜
公式 原作本 ニュース




上山良平 江口洋介
斉藤幸一AD 勝地涼
上山イサヤ 嘉数一星
上山ユウタ 加藤 翼
川村カヤ 向井地美音
横井P 林隆三
上山礼子 草笛光子
川村ふみか 薬師丸ひろ子


視聴率13.6%
 
 ショッパナからカッコいい江口君なんだもん。ちょっとズルイ。オレンジを車で送る運転姿は絶品だ。このドラマって何度見ても飽きない。リアルで見た時は、なんかもうひとつ物足りない気持ちだったけど、回を重ねるごとに引き込まれる。これってよくいえば、薄味で素材のよさを味わっているのかもしれない。

オレンジとの離婚なんだけど、どうみても江口君演ずる良平が、さほど悪いだんなさんに見えない。仕事に夢中になると話しも聞いてくれないっていうけど、子供と接する良平を見ていると、まったく家庭をかえりみない、ダメだんなにも見えない。たしかに子供が熱出したくらいで、どうしていいかわかんないほど、あたふ
する40男ってのも、なんか情けないけど。でも、離婚したいと出ていく妻をわざわざ空港まで送っていくってのも、人がいいなぁ〜と思うわけで、それも1回目はともかく、2回目も送るのかよ。(>_<)

 私は江口君の声は大好きだし、あの声が最高にいいと思っているけど、ただ今回ナレーションで説明しちゃっている部分が多くて、それが残念だった。特に前半部分はもっともっと、子供を育てる大変さをみたかった。なかなかオムツが取れないユウタ君のミサイル噴射?あれは面白かったし、うまく小型ミサイル2号が発射できた時の良平の喜んだ顔は、ぐっときた。でもさ、あの後どうすんのかってのが毎日の暮らしなわけで、あのおしっこだらけのあひるちゃん?潜水艦?を「うへぇ〜〜」っと取り出すとか、浮かべたま、おしっこじゃないほうをしちゃって「うっわぁ〜〜」と嫌な顔するとか、そういうもんじゃない?そういうのまで見たかったな。

もっとね、子育てする苦悩ってのが見たいんだよね。それを見せる時間がなさすぎなんだもん。だから、再婚を考えることが、自分の仕事がしたい、子供をみてもらいたいってのが、まずはありきなのか…って風に思えちゃうのがつらい。そうはいっても、子供の髪洗ったり、だっこしたりする様子が本当にさまになっていて、そこからチラチラっと江口君の素??が垣間見れる気がするので胸が熱くなる。

夏にオレンジに出て行かれて離婚して、秋に再婚を考えるってのが、現実そうなんだからしかたがないんだけど、どうにもついていけず・・(笑)。しかも出会い系??サイトってのが・・・。いいのかよって気もする。普段ネットとかしてないんだろうなぁと思う。していたらそこへは、かえって踏み込めないと思うな。知らないからできちゃうって、それがリアルなのかもしれない。

メールのやりとりも実にリアル、そうそう、メールのしはじめってそんな感じなのよね。わかるわ。だけどメールのやりとりで相手をわかったように思うのはさすがに危ない。しかもはじめてあった人に結婚申し込むのもどうかと・・・(笑)。よっぽどアセっているのか、そういうキャラなのか。

相手のふみかさんの娘カヤが自閉症ってことがネックになるわけだけど、なんていうか、ふみかとの出会いがメール以外ではあまりにも唐突で、カヤが自閉症って以前に、良平とふみかの間はどうなのよって思えちゃうわけで・・。たしかに自閉症ってのが、考えちゃう問題ではあるけど、その前にふみかに対してどれだけの愛情が芽生えているのかだと思う。愛する人の子供ってのが最初にきて、その後自閉症ってのが考えるべきポイントだと思うんだけどな。
だからさ、やっぱ描きが足りないんだと思う。さぁ〜〜と流しちゃう問題じゃないし、初めてのデートで結婚を申し込んじゃうってことが、とにかく早く結婚したいって、それは仕事のため?子供のため?ってようするに自分の生活のため??って見ている側は思えちゃうのだ。

でもね、遊園地で自分の気持ちを隠さず話す良平には共感できる。自閉症と知って、自分の気持ちが萎える・・。それでも一度あってみようと思う。そこにちゃんと・・一生懸命、気持ちの中に余地を残したんだと思う。そして実際自閉症の娘に接する。改めて普通の子供とは違う部分を目のあたりにして、やっぱり気持ちが萎える。ここの流れっていうのが、もっとも当たり前に思えるんだよね。他人として障害を持つ人を思う気持ちと、家族として受け入れようと思う気持ちでは、天と地ほども違うと思うから。簡単には答えもだせないし、簡単に受け入れられない。

けど、カヤが自己紹介をした時の、良平の引きっぷりは、ちょっとどうなのよ!って気がする。ちゃんとした大人は、心の中でどんなにドン引きでも、ふみかやカヤを目の前にして絶対顔にはださないと思う。
「好きな食べ物まで教えてくれてありがとう〜」くらいの機転きかせろよって話だと思うんだよね。でも、そんな父親とは対照的に子供ってすごい。大人からすると、カヤの挨拶は「ヘン」なのかもしれないけど、ユウタはそんなこと思っていないと思うんだよね。カヤをフォローしようとして同じように言ったわけでもなく、ただ単に、同じ返しをしただけなんだと思う。そこがね、私はぐぐっときた。たぶん、お兄ちゃんのイサヤが同じことを言ったなら、その場の空気でアタマ働かしたのかな・・賢いヤツだなって思うんだけど、ユウタだからこそ純粋な気がした。

考えさせてくれってのが、拒否に思うふみかの気持ちはよくわかる。そしてその良平の言葉に鋭く反応しちゃうのも、なんとなくだけどわかる気がする。遊園地で良平のことを責めるようなことを言ってしまうふみかと、すぐにそのことに謝罪するふみかを見ていると、よけいにキレイごとじゃないんだなって思えてくる。

私は、自閉症のカヤのことを受け入れられる気持ちになったことで再婚に踏み切った良平ってのが、ちょっとんばかり嫌なんだよね。子供たちもふみかを受け入れて・・・もちろん子連れの再婚って最終的には子供のことを考えるんだろうけど、だけど、ふみかとカヤを幸せにするっていうよりは、ふみかのことを愛している、だからこそ、その子供のカヤも愛せるって進んでほしかった。でも、やっぱり一緒にやっていくってことを考えるのが先にくるのかな。君じゃなきゃダメだ・・なんてのは、良平みたくおじさん?は関係ないのかな。。


イサヤ君が「パパは頑張っている」って言ってたことを部下の勝地君から聞いてほろっとするんだけど、最初、このセリフを直接イサヤが良平に言ったほうがいいのにって思ったんだよね。そういうシーンがほしいなって。でも人間って直接言われるよりも、人から伝わるほうが、そこに想像が入って、より胸に響いてくるものかもしれないから、これでいいのかな・・とも思いなおした。でも、それなら、イサヤ君が勝地君に、こそっとパパのこと言うシーンが回想とかで入れてほしかった。


劇中に流れた盲目の人の歌と、最後バスの中の「友達っていいんだよ」っていう詞が心の中に染みわたっていくようだった。上司の林隆三さんの「俺たちは優しくないかもしれないけど、優しくない自分と戦っている。希望や救いを人に感じてもらいたいと思って・・・。葛藤のない人間に作品は作れない」ってなんか目からうろこ・・。この言葉が、ものすごく心に入り込んでくる。みんなそうやって生きているだなって、みんなそうなんだな・・って思うと、少しだけ勇気が出る。



私はいわずと知れた?・「ぞっこん、あんちゃんLOVE」なわけだけど、(笑)風呂あがりの良平が頭にタオルまいて電話しているとこは、あんちゃんだよ。そのまんまちょっとおじさん??いや、大人になってちっとばかり落ち着いた、あんちゃんだよ。すぐ正座しちゃうとこなんか、そのまんまだ。

正直、今の江口君には、もう、「あんちゃん」は無理だろうなぁ〜って、どこかで思っていて、あの頃の「あんちゃん」は、江口君じゃない別の人がのり移って、神がかりな「あんちゃん」を演じていたんだって、なんとなくそう思っていた。もう江口君は「あんちゃん」には、なれないんだって、自分の中で決めつけちゃっていた。でも、間違っていた。
あの「あんちゃん」を演じたのは、やっぱ江口君だった。そして江口君は今でも「あんちゃん」を出来るんだ。その引き出しをちゃんともっているんだってことが、私には何よりうれしかった。

でもね、この良平は「あんちゃん」ではない。
良平は良平のすばらしき人格がある。優しいところも、自分勝手なところも、お調子者のところも、慎重なところも、真面目なところも、ずるいところも・・・。このドラマのあらゆるところにそれは散りばめられていて、まるごと愛すべき良平で、ドラマをみていると暖かい気持ちになる。それはこの主人公がとても魅力的な人物で、またそれを本当に見事に江口君が演じてくれて・・私はありがとうっていいたいくらい。


パパの涙で子は育つ・・・いっぱい良平が涙するシーンがあって、イサヤの「パパは頑張っている」の涙も、結婚式の「いびつで欠点だらけの自分だけど、家族で欠点を補い合い、力を合わせて生きていく」って涙も、新婚旅行のバスの「友だちっていいんだよ」の涙も、みんな感動の涙なんだけど、その時々の江口君の泣き顔は、それぞれに胸によぎるものがあるような、同じようで違う泣き顔だった。