戦国自衛隊1549


2005年6月11日公開
監督 手塚昌明
原作 福井晴敏
DVD


未来とは人の世の望みよ

キャスト
鹿島勇祐 江口洋介
神崎怜 二尉 鈴木京香
的場毅 鹿賀丈史
飯沼七兵衛 北村一輝
濃姫 綾瀬はるか
藤介 中尾明慶
蜂須賀 小六 宅麻伸
斉藤道三 伊武雅刀
与田 二尉 的場浩司
三國陸曹長 嶋大輔
森彰彦 三佐 生瀬勝久


生きるとは覚悟だ

主題歌
涙の数だけ Full Of Harmony




あらすじ
陸上自衛隊人工磁場発生器実験中、いきなり的場一佐率いる実験部隊が消滅した。彼らは460年前の戦国時代にタイムスリップしてしまう。やがて2年後、日本各地に「ホール」が出現しはじめる。
タイムスリップした的場達の過去への干渉のせいではないかと考えた防衛庁は、再びタイムスリップを行い的場達を救い、現代の消滅をくいとめる計画を進める。

タイムスリップが自分の判断ミスと責任を感じる神埼は、的場が創設した特殊部隊Fユニットの一員であった元自衛隊員、鹿島勇祐のもとを訪れ協力を促す。しかし一方的なFユニットの解散で自衛隊をやめてしまった鹿島は居酒屋の雇われ店長として捨て鉢に生きていた。神崎の頼みを一度は断ったものの、的場達と入れ替わるようにして現代にやってきた戦国時代の侍・七兵衛の言葉に触発され救出部隊、ロメオ隊への参加を決める。

そして2度目のタイムスリップが始まりロメオ隊は戦国時代へと旅立つ。
次々と現れてくる敵の中に見覚えのある顔を見つける。それはかつて同じユニットの仲間だった。自分たちが助けに来た的場は、織田信長となって戦国時代に君臨していた。
戦国の世で生きることを決めた的場は、自衛官を捨て、この時代から新しい日本を強靭な国家に作り上げるため歴史を変えようとしていた。

鹿島は、敵となった的場と戦うものの、ロメオ隊の仲間は次々と命を落としていく・・。
現代の平和を守るため半分以下になった仲間とともに、捻じ曲がっていく歴史を修復すべく立ち向かっていく。


感想(ネタバレ)


戦国自衛隊1549・・江口洋介主演と聞いた時は鳥肌がたった。戦国自衛隊といえば・・角川映画のアレじゃないの・・。
もう、ずいぶん昔の映画なのに・・なぜだか見ている私。(笑)
その時代、映画なんてたま〜にしか見ていなかったのに、なんという確率なんだろうか。
たしかに千葉真一主演の戦国自衛隊は面白かった・・でも、女の子だった私にとっては、全身矢にさされ血がドバ〜っと飛び散り・・首がゴロっとするこの映画は怖かった。半分くらい目を覆いながら見ていたと思う。残虐なシーンが目に焼きつき、いつまでも・・いまでもそこだけはしっかり覚えている。

それに比べて、戦国自衛隊1549は穏やかに見れた。
というか、もうちょっとガンガン戦闘シーンが欲しいくらいだった。
この映画は、戦国時代の武士VS自衛隊ではなく、自衛隊VS戦国時代にいる自衛隊に焦点をあてているため、ちょっとまったり感が漂うのだと思う。
もともとタイムスリップ自体、非現実の話なので、いたるところでつじつまが合わないのは仕方ない。そこらへんをいくらツッコンでみたところで、もともとタイムスリップなんだから・・・。しかしながら、誰もかれも、簡単に・・ごく普通に・・タイムスリップを受け入れちゃっているところが、あんまりっちゃあんまりだが・・。

江口洋介演じる鹿島は、今や居酒屋の店長。こんなに店長っぽくない男も珍しい・・自衛官だったっていうのも??だけど、居酒屋のほうが似合っていない。店の客に料理やお酒を出している姿が、いかにもこんなのやりたくねぇ〜けどしょうがないからやってるんだよ〜ってデレデレ感が・・。
タイムスリップの現場を見せられても、いまひとつやる気なさげだし・・まぁ、それが普通っちゃそうだろうけどね。もし興味持って「俺やるよ!!」とか張り切る男だったら、自衛官なんてヤメてないで今頃鹿賀さんと一緒に戦国時代に行っちゃってるはず・・そうなると年齢的に、えぐっちゃんが織田信長で、鹿賀さんはさしずめ徳川家康になるのがいいんじゃないだろうか・・。明智光秀に暗殺されることもなく秀吉を側近にして、徳川に渡せば歴史のつじつまはあうわけで・・(笑)。

それでも、ロボット歩きの北村一輝に触発され戦国行きを決める。ここまでが長ったらしくちょっとたいくつだった。特に自衛隊のタイムスリップ現場までの説明とかが???。なんでもなんとかミッションだの、なんとか〜だの←ごまかし って、わけのわかんない専門用語が出てきて凡人には理解ができない。
なにはともあれ戦国へ行っちゃった自衛隊の仲間を救い出すというロメオ隊(この名前もなんだかなぁ〜)の出発となる。

「あなたの力が必要なの」とかなんとかおだてられ、頭をさげるからきてやったのに・・オブザーバーはよけいなことは言うな!!「はぁ??〜!!!」
鹿島のキャラってここでキレルべきだと思うのだが・・。結構従順なおにいさまだった。

ここから一気になんの問題もなく戦国の世へ・・。あっけないタイムスリップであった。

印象に残っているシーンといえば、メインの自衛隊員の死に様。生瀬さんが死んでしまうのがあまりにもあっけない。やっと戦闘モードになりえぐっちゃんとタッグを組んで活躍〜というところで、一人特攻死になっていく。もっと見せ場があってもよかったのになぁ〜と思う。ただ、現地人の殺傷は避けるっていうセリフ・・これはとても心に残った。
そして、嶋大輔が最初に登場したシーンで思わず笑ってしまった。「こんなに太っちゃって・・」銀蠅時代はどこへ行っちゃったのだろうか・・。子供の写真を見せた時点で、あ〜死ぬんだなと思った。きっと映画を見ている95%の人はそう思ったことだろう。まんま、その通りっだったのだが、不思議なことにうるうるきた。こんなに太っちゃって昔の面影もなく・・どう見ても自衛隊員に見えず・・だけどちょっと感動させてくれた・・嶋大輔だった。


なんだかよくわかんないのは、神崎怜って人。自分がタイムスリップをおこした張本人と言って責任を感じているけど、だからって戦国時代に行かないだろう・・フツー。ツッコンではいけないわかっていながらも、ここはツッコミたくなる。足手まといなだけだしね〜。
京香さんと鹿賀さん演じるこの二人は、なんかただならぬ関係を匂わせている。恋人というような健全な香りがまったくしなくてどうも不倫とかワケアリとか浮かんできてしまった。この女がバ〜ンと引き金を引けば簡単に終わったんですけどね。それじゃ映画になんないから・・・。あの時生瀬さんが「なんで撃たなかった!!」って怒鳴ったけど、その前に「撃て!!撃つんだ!!神崎!!命令だ!!」ってもっと強く言うべきだったんじゃないのかしら。上官の命令だったら反射的に撃っていたかもしれないのに・・。でも撃っちゃったらオシマイだからダメなのよね。(笑)

ただ、どうしてこの上映時間なのだろう・・と。2時間では短すぎたのではないか。
もう少し時間があれば、的場たちが戦国時代へ飛ばされて戦国武将VS自衛隊の描写もいれられただろうし、あっちの世界へいってからのギャップも見れただろうに・・。残念だわ。

インタビューで江口君が、自衛隊の全面協力でものスゴイ迫力ある映像だと言っていた。たぶん演じている役者さん、スタッフ等、その場にいた人にとって、すごくリアルで迫力があったのだと思う。で・・それが見てる私に伝わってきたのか?といえば、それほどでもなかった。ホンモノの戦車だから迫力がでる・・ハリボテだから・・欠ける・・という問題ではなかろう。所詮作り物の映画・・そこにはホンモノもニセモノも関係ないような気がする。見ている側がのめりこめさえすればいい。
自衛隊全面協力・・・これが最大の売りなのかな・・と思う。
そのメリット、デメリットが大きくでたような気がする。
今の日本の自衛隊=戦争のため闘う集団ではない・・自国を守るため・・世界の平和に協力するため自衛隊は存在しているのだ。そして本当にギリギリになって、日本が壊れてしまう・・そういう事態になった時に初めて、攻撃に出る。なんとなくそんなことを匂わせているような気がする。だから生瀬さんの死に方が必然なのだと思う。
自衛隊の協力がよかったのか??微妙だけれど、それを選んだ映画なのだからよしとするしかない。

いろんなところでこの映画の評価を聞く。主演に対してあんまり〜的な内容も聞く。
でも、私は江口君はとてもよかったと思う。見事に鹿島を演じていたと思う。
鹿島はたいして目立たなかった。主役??本当に主役なのかしら・・と感じることもあった。そう・・でも、この戦国自衛隊1549の本当の主役は、自衛隊&コブラ&戦闘車両なのだと思う。角川映画のお祭りとして、それらを打ち上げたのだと思う。江口君は自分の役割を確実に・・完璧に演じていたと思う。鹿島は、熱血漢あふれる若者ではなく、半分ヤケ気味に生きているのだ。それが戦国時代にやってきて攻撃され、自衛隊として訓練を受けた日々が蘇ってきたのだと思う。殺らなければ殺られる・・戦闘本能が沸いてきた鹿島の顔が一変する。江口君がそこらへんのあんちゃんから闘うのものの鋭いまなざしに変わるのである。北村一輝に持っていかれた・・とみんなは言うけど、鹿島VS八兵衛・・どう考えても戦国時代を生きている八兵衛の眼差しには負けるのだ。大人と子供くらいの戦闘シーンなのだ。江口君は、さして行きたくもなかったけど、何か魔が差して・・なおかつ成り行きでここまで来ちまった。来ちゃったら〜とりあえずがんばってやろう・多少やる気が出てきた・・俺の出番か・・そう思ったら武器の使用は禁止・・とか言われ、やってらんね〜よ。感をとてもよくあらわしていたように思う。

何がよかったって、鹿賀さんと江口君の最後の対決シーンだ。右だか左だかの腕を切られ、「うっ」と押さえるところが好きだ。ただ、京香さんに拳銃で撃たせ、とどめを江口君がうつ形になったのは、ちょっと寂しかったが・・・。そこから爆弾みたいなものを持って帰りタイムスリップして現代に戻ってくる画面は、ちょっとお笑いだったけど・・・ラストショットは文句ないSP江口君の笑顔だった。

問題はその後・・エンドロール・・もうちょっと手をかけられなかったのか・・。せめて最後近くまでラストショットをおいといてほしかった。欲をいえば、戦国時代の信長とか秀吉とかのその後・・活躍する様子とか・・江口君が居酒屋の店長に戻ってビールを運んでいる画とか、なんかショットを入れてほしかったなぁ〜、せめて回想とか・・あまりにもさっぱり・・というかどうでもよさげなエンドロール・・・。