新十津川物語 明治編 NHK・土曜ドラマ
1991・10・5/ 10・12 全2回


津田フキ 斉藤由貴
津田照吉 江口洋介
中崎豊太郎 小西博之
中崎菊次 西岡徳馬
中崎ゆきの 桜井幸子
前田恭之介 林隆三


北海道の方言指導を受けたけど、方言に縛られて芝居は難しいものがあった。こういうドラマもたまにやると面白い。

<雑誌 江口談>




 
東京でOLをしている檜山ユカリは、高祖母(祖母の祖母)にあたる「中崎フキさんを讃える会」の案内をもらい北海道の新十津川町へ行った。その席でユカリは、「フキさんの若い頃そっくり」と言われる。
 明治22年、奈良県十津川郷は大洪水に見舞われ、津田フキは両親を失った。フキは中崎菊次らと北海道に移民。その道中で、荷物運びに駆り出された囚人・前田恭之助父親の面影を見て親しくなる。やがてフキは、菊次の息子・豊太郎と結婚。しかし豊太郎は日露戦争に召集され、無事に帰っては来たものの別人のように生気が無くなっていた。

一方、家を飛び出していたフキの兄・照吉(江口)は、豊太郎の妹・ゆきのと結婚し、農業をはじめるが、なかなか結果のでない仕事に嫌気がさし、ゆきのとふたり新十津川を離れていく。

<ドラマデータベースより>


レビュー


やっぱNHKのドラマは違うねぇ〜。なかなか江口君は出てこなかったのに、真剣に見入っちゃった。

主人公フキのおにいちゃん役なのに、なんですぐ出てこないか?というと、子役が出ているから。

これが17才って設定なんだけど、どうもフケてみえちゃって・・。もうちょっと若いコで出来なかったのかしら。この子だったら、江口君でもやれなかったのに。

町を失って、みんなで新しい住処を求め、北海道に移住する。

そうはいっても荒れた土地を耕すことからはじめるから、なかなか思うようにはならない。フキの兄はすぐトンヅラしちゃって、フキはおじさんちで面倒をみてもらうことになる。でも、このおじさんちは、みんなとってもいい人で、フキもそこそこ幸せなんだよ。


それがある日、おじさんちが火事で燃えちゃうんだよね。そこから優しかったおばさんがおかしくなる。自分のたちと自分の子供が生きるだけで精一杯で、とても他人の面倒なんてみれない〜って言い出して、おじさんも何もいえない。


フキは自分から出ていくんだよ。
それが可哀想で・・可哀想で・・・。
こんな時ににーちゃんがいてくれれば、少しは気持ちも違うのにねぇ。
1人ぼっちで、小さな女のこが歩いていく姿は、涙〜涙〜・・・。


そんなフキは薬屋をやっているケチな親戚のおじさんちにやっかいになる。

これがまたくわせもので、フキをこき使ってるんだ。
ここから主人公のフキが大人になっていて、斉藤由貴ちゃんに。



この由貴ちゃんがもっさり?した喋り方なので、薬屋に邪険にされたりこき使われているというのに、あまり悲壮感がみられない。なんかマイペーズで全然気にしてないふうに見えちゃうのだ。そして、このフキの唯一の友人といっていいのが、元囚人のおじさん、林隆三。フキのよき理解者というか父親がわりかな。まぁ、1人でもフキにそういう人がいてほっとする。



一番最初に江口にいちゃんが登場するのは、お金も払わないで遊んで、逃げようとしたのを、用心棒やっている林隆三おじさんに捕まってボコボコ殴られる〜という、情けないシーンからです。

それを妹のフキが見つけ兄妹の再会シーンへと突入というわけなんだけど、江口にいちゃんのカッコがこれまたみすぼらしいのなんのって・・。



昔だからみんな着物なんだけど、北海道だから雪の中を汚い半纏(はんてん)みたいのきて、クビには茶色いものまいて・・・おまけに下は黒だがグレーだが??のももひきみたいなやつはいて走っていた。

今で言うホームレスファッションっぽい感じですわ。それはそれはいっぱいいっぱい着こんでました。

髪は紐でひとつに結んで、無精ひげで・・・。

でも、それでもアップになると、キレイ〜。やっぱ若さだよね〜。(うっとり)しかも、足がなが〜〜〜い。お耳がピンっとたってました。(笑)


フキは吹雪の中を屯田兵の少尉さんに助けられ恋心をおぼえる。
そしてその少尉さんから結婚を申し込まれる。
おお〜これでフキも居候生活から玉の輿にのって、少尉夫人として幸せな一生を送れるじゃないの。めでたしめでたし・・。


その少尉が律儀に江口にいちゃんのとこにも、ご挨拶にきたとかで、それを聞いたにいちゃんはさっそくフキのものと飛んでくる。

「ところでフキ・・頼みがあるんじゃ・・。その少尉さん・・金持ちなんじゃろ??」あちゃぁ〜〜〜。こういうキャラなんです。江口にいちゃんの役は・・・。(T_T)



フキにはおねえちゃんがいる。江口にいちゃんのすぐ下の妹だ。フキはその下の妹ってわけです。

おねえちゃんは一緒に北海道へこず、ものすごく年の離れたおやじに嫁がされて・・・。でもフキへの手紙にはだんなも姑もとても優しく幸せに暮らしている〜と嘘の手紙を書き続けている。そしてフキもにいちゃんと一緒に北海道で頑張って暮らしているとず〜っと嘘の手紙を書いている。これが、なんとも悲しい。


で〜〜〜〜、結局、フキは少尉さんの嫁にいくことをやめて、貧乏人の豊太郎の元へ嫁にいっちゃった。

豊太郎というのは、火事になるまえによくしてくれた、おじさんちの長男。

おばさんは亡くなっていて、ちょっと半ボケ気味になっちゃったおじさんと、病気の妹をかかえて、それは暗い〜毎日を送っていた。

まったく〜フキはバカだよね〜。こんな不幸を全身にしょったような男のもとにいってどうしようってんだよ。それって江口にいちゃんにも一端の責任があると思うのだが・・。だって、少尉さんと結婚したら、にいちゃんが金せびって迷惑かける〜と思ったんじゃないのかしらね。


にいちゃんは怒って式にも顔をださないし・・・。

でも、にいちゃんもフキちゃんを捨ててほったらかしにしていたわけじゃなく、時々様子をみにいっていたらしい。

フキがどんな暮らしをしているのか、ちゃんとみんなわかっていて、でもお金がないし、会ったって一緒に暮らせるわけじゃないし・・それでも気になって顔をみてはごめん・・って心の中でわびていたんだと思うよ。カネをせびるのとこれとはまた別なんだろうけど・・(笑)。



あっという間に数年たち・・
ちっちゃな小屋で、豊太郎のおとうさんと、子供2人と、それになぜか林隆三おじさんが一緒にくらしている。

豊太郎が日露戦争のため出兵しているから、用心棒がわりらしい。

なんとか戦地から帰ってきた豊太郎だけど、すっかり人が変わっちゃって働かなくなってしまう。そうとうつらい目にあったようだ。そんなところに豊太郎のおとうさんが自分はもう役立たずだからと川に身を投げてしまう。かわいそう・・・。



なんだか知らないけど金儲けに成功して会いにきた江口にいちゃん。

この間までの薄汚いカッコとは180度かわって、ストライプの真っ白なスーツにネクタイ、髪はもう束ねてないよん。

おうおう、やっぱ江口君はこっちのほうがよく似合うわ、江口ワールド全開じゃけん。

そこで再会した豊太郎の妹ゆきのに一目ぼれした様子。

すぐ帰るなんていいながら、炭鉱行くのをやめて米作りをはじめる。

え〜〜、せっかくキレイな江口にいちゃんになったのに、また小汚いカッコに戻っちゃうの???


でも、妹のフキの隣に住んで、一緒に田んぼの仕事をして、ある意味平和というかそれもいいかなぁ。でもって、ゆきのとめでたく結婚!!お幸せに〜〜〜。



田んぼの泥の中を足いれて、頭になんかまいて・・結構頑張ってるし、農民もイケテなくはない。(笑)。イケテなくはなかったのに〜〜〜〜〜、やっぱ、根っから根性なしとみえて(>_<)・・田んぼを捨てて、炭鉱にいってしまった。



「人にはいろいろいるってことだ。おかあさんのように、明日のことを考えて、我慢して生きている人もいれば、照吉(江口にいちゃん)のように、今日だけをあてにして生きるって人がいるってことだ。我慢して辛抱していれば、きっとおてんとう様がちゃんと欲しいものをくれる。」

これは林隆三おじさんのセリフなんだけど、実にうまく言い表しているなぁと思う。

しょうがないよね・・だいたい江口にいちゃんに農業なんて無理だったんだ・・性分ってものがるし・・ということで納得。



その江口にいちゃんの田んぼもフキがやることになって、やっとダンナの豊太郎も手伝う気になって・・これでフキも苦労しなくなるのかなぁ〜と思ったら、豊太郎が血を吐いて倒れあの世へ行ってしまいました。なかなか苦労から抜け出せないフキ。


江口にい・・←省略、今度はいつ出てくるのだろう〜、もうこれで出番は終わりかい?と思っていたら、再び落ちぶれはてた格好で登場。

しかも今度はゆきのと一緒におちぶれ夫婦で・・・(>_<)、悲しいのぉ〜。


結局炭鉱ではうまくいかなかったらしく、奈良に戻って、妹の家にゆきのを向かわす。


槍をお金に代えてほしいと・・・親の形見の槍を見せると、妹も何かを察したらしく・・・。買えないけど路銀の足しに・・と懐からお財布を渡してあげる。

そんな二人の様子をそっと木の陰からのぞいているにいちゃん・・・。


そして戻ってきたゆきのと手をとって川の橋を渡っていくふたりの姿を、これまた見ている妹・・・。切ないのぉ〜〜〜〜。(>_<)。



江口にいちゃんだって、妹のところにまで金の無心にいかなくちゃいけないくらいになっちゃって、しかも自分では顔をだせずに、ゆきのを行かせて・・・・。妹がお財布を持たせてくれる姿を見て、どんな思いだったのだろう・・。つらいな・・。


妹だって苦労していて、自由になる金はないし・・、にいちゃんの落ちぶれた姿を見て、何もしてやれない自分がせつないだろうし・・・。


それでも、にいちゃんが戻ってきたゆきのに手を差し出して、ゆきのを大事にしているようだったから、まだ救われたけど・・・。

う〜〜ん、なんかねぇ〜。いくらでも小汚いカッコしてもいいけど、心までみすぼらしいのは寂しい。

ファンとしては悲しい役だわね。


でも汚い江口君と超キザカッコイイ江口君を堪能できて、かなり満足でした。


あ・・忘れていた。フキは頑張って田んぼに稲がでてきて?めでたしめでたし・・・(笑)。