松竹   天空の蜂   2015・9・12(土)公開
 監督・堤幸彦 原作・東野圭吾「天空の蜂」 





 ネタバレあり



う〜〜ん、言葉にならない。



よかった。



面白いとか、ハラハラしたとか、そういう言葉を使いたくないくらい・・・よかった。 



とはいうもの、手に汗かいて映画見たの、初めて。

湯原(江口)の息子、タカヒコが偶然乗ったビックB。

公式サイトで冒頭十数分も見ていたってのに。





格納されているビックBに近づくタカヒコ

「入っちゃダメ、それはビックBだよ。」by私



テロリストの雑賀(綾野)がスイッチ入れたのをみて

「タカヒコ、早く出て、出て!!」by私



湯原が「飛び降りろ!!」と叫ぶのを見て

「タカヒコ、早く!!飛び降りるんだよっ!!」by私


いや、わかってんのよ。
見たんだから〜〜。わかってんだけどさ、ドッキン、ドッキンしちゃって
「タカヒコ・・・」と心の中で思わずつぶやいてしまうのだ。

折り畳みのパイプ椅子とか並べちゃって、学校の体育館?入学式?卒業式?・・いいえ違います、ビックBのお披露目会場です〜〜〜〜〜〜!!
な〜〜んちゃって♪って感じなのに、ビックBがエンジンかかって動き出してから、飛んでいってしまうまで、「え?」「え?」「えぇ〜〜〜??」と、驚かせてくれましたよ。




原発「新陽」の真上でビックBは停止。
日本の原発すべて破棄しなければ、爆弾を積んだビックBを墜落させる〜と「天空の蜂」と名乗る犯人は要求。

うわぁ、なんだよ。天空の蜂のタイトルは、犯人が語る名だったのか・・・。しかも出てくるの早っ。


偶然に、超簡単に、ビックB本体に乗り込んじゃったタカヒコ。

ドンドンと足で壁叩くし、なんだかふてくされオーラ放ちっぱで、このガキんちょめ〜と思ったけど、怒鳴られたのに、おとうの分のコーヒーも買おうとするなんて、いじらしいわ。なんだかんだなんだかんだあっても、やっぱりおとうが好きなんだなぁと。


それなのに、奥さんに息子を押し付けるようなこと言っちゃって・・・。
もぉ〜〜、ダメだわ。いくら仕事ができても、見かけがよくても、こりゃダメだわ。(笑)

よくよく考えてみると、湯原がもうちょっと家族に対して気配りがあれば、タカヒコがビックBに乗り込むことはなかったと思われる。


天空の蜂に対する対策本部が設置されるわけだが、映画を見ている感がしなかったわ。あ〜〜実際こういうことが起きたとしても、あたふたしつつ、余裕ぶっこいて、さぁ〜〜どうしますか〜〜的なことやるんだろうなって。こんなぬるいのありえないよと思いつつ、案外リアルなのかもと思ってしまうのがやるせない。


そんな中で、第一のハートわしづかみがやってきた。

息子が無人ヘリに乗って、飛んでっちゃったのよ。
しかもハッチ開けたままで。
そしてそのヘリは、原発の真上で、落っこちるのを待っている。
おまけに、自分の夫が設計したヘリだっていう・・・。

こりゃ、奥さん激怒するわ。

「アンタのせいよ!!」

「アンタが作ったんだから、なんとかしなさいよっ!!」

まさしく、そのとおり。

めちゃくちゃだけどさ、「なんで飛び乗らなかったのよ」「なんで手を離したのよ。」

そう言っちゃう気持ち、わかるわ。

奥さんだって、わかってんのよ。
けど、言わずにはいられない。

たった1人で、ヘリに乗っかっちゃっている我が子を思うと・・・。

せめて今、我が子のそばに、アンタがいたなら・・って、思たんだろうね。


親が子を思う気持ちは、深いのよ。ここで涙がこみあげてきたわ。




そうはいってもさ

湯原だって、ヘリに飛び乗りたかったけど、手を離したくなかったけど、ダメだったのよね。

そんな飛び立ちかけているヘリに、飛び乗れやしないわよ、それこそトム・クルーズじゃないんだから。

湯原の職業は設計士、デスクワーク!!しかも自衛隊ヘリの設計なんて、エリート中のエリートでしょ、アタマ使いまくったって、身体使うことないっしょ。

逆に、全力疾走でよくヘリに近づけたものよ。
それどころか、数メートルも宙に浮いてぶら下がったのよ。すごい命がけの頑張りだっての。

とはいえ、息子は飛んでいちゃったわけだから、湯原としては「すまん・・」しかないわね。



けど、その奥さんの叱責で、湯原覚醒したわけだし(笑)

タカヒコがモールス信号を練習していたとはね。
あの壁ドンドンは、ただのふてくされじゃなかったのか。モールス信号だったのね。
う〜〜ん絶妙だわ。



モールス信号のやりとりはいいんですけど、タカヒコが懐中電灯みたいの使って、ピコピコするたびに、そんな前に乗り出すんじゃないよ!!落ちたらどうすんだと、ハラハラした。

救出方法はといえば、ロープを討つって・・・。
実にシンプルな方法で、しかもその先に指示メモをつけるという。
これって矢文の原理?  


こっからタカヒコ救出まで、ホント、ドキドキした。
なんで映画見ながら、手に汗かかなきゃいけないんだ!!ってくらい。

「タカヒコ、危ない!!・もっとさがって!!」の連発。

指示するんなら、最初に充分気をつけろとか、あまり前にくるなとか、書いてほしいわ。


天候が悪くなって、自衛隊がいったん撤退するのかと思ったら、まさかのサーカス。
「うわぁ〜〜〜〜!!」

なんとか助けられそうと思ったら、まさかのタカヒコ、落っこち・・・。
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜!!!」

ど、どうなんの?どうなんの?と思ったら、まさかの後追い倍速落ちで、タカヒコゲット&パラシュート着地
「ひぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」



昔、煙突に上った妹に、飛び降りたら、おまえより先に落っこちで、オマエを守ってやる〜〜とか言ったあんちゃんという人がいたけど、それより数段高度な技だよね。時代の進歩を感じるわ。(笑)

いや〜〜助かってよかった。
自衛隊員の勇気に感謝。この人がいなかったら、タカヒコは助からなかったわね。


後半は、誰が犯人なのか・・と。

なんだかんだいいつつ、警察はつかんでいくわけですよ。犯人を・・。

これ1日の話だよね。しかも8時間の。

海外ドラマの「24」より短い時間で、解決していくって、すごいわ。
改めて考えると、すごすぎて、いいの??って気もしてくる。

刑事さん可哀そうだったな。
見るからに弱っちそうだったから、弱いままでいれば死ななくてすんだのにね。
頑張っちゃって、死んでしまいました。

けど、彼のおかげで、犯人の1人に逃げられなくてすんだんだもの。
りっぱな殉職なんだけど、残された奥さんと子供が、可哀そう。

結局三島が首謀者ってことなんだけど、きっかけは息子の自殺ってことなのかな。
足をひきずっている理由も、あちこち身体に傷がある理由も、後からああそうなんだ〜とわかり、気の毒な一面もみえる。



湯原VS三島 見せ場が各所にある。

カーチェイスも、銃を構えても、絵柄としてものすごくカッコよくて、ワクワクした。この映画の中で、この部分は特典映像のおまけみたいに華があった。

けど、湯原が銃を三島に押し付けて、なんとかヘリ墜落を阻止する方法を教えろとつめよるけど、あの時点の三島が、命と引き換えに教えるとは、とうてい思えないんだよ。

そういう思考力もぶっ飛んじゃって、必死になっている湯原ってことなのかな。
警察の銃奪って、あげく発砲しているから、あの後どうなったのか気になる。
国家の窮地を救ったってことで、免罪にしてほしいわ。


三島が残した送信されないメッセージで、彼の思いがわかる。

結局、タカヒコが乗っていたことだけが想定外で、後は想定してたことでしょ。たとえ、新陽の上に墜落したとしても、問題ないってわかったうえでやってたってのが、なんとも・・・。

使用済み燃料のことも考えて、新陽を選んだってことか。

沈黙する群衆に対しての強烈なメッセージ。

でも、それは送信されない。

やられたね。

この映画の一番核の部分が、ここにぎゅっと詰まっている。



そして年月がたち、大人になって自衛隊員として、3・11の震災支援活動をするタカヒコ。あのタカヒコが高彦になった〜〜〜!!うん、なんか面影ある。(笑)

そりゃぁ、自分を助けてくれた自衛隊の人、忘れられないよね。

そして、16年後・・父と子

そもそも湯原の年齢がいくつの設定だったのか、わからないけど、数秒とはいえ、ヘリにぶら下がったくらいだから、30代後半から40ちょいくらいじゃないの?

そうなると、いっても50代でしょ。

老け過ぎじゃないの?60代の設定なのかしら。

でも、これから先、20年後くらいの江口君を想定できた。
まだ、いけそう(笑)



テンポもあり、スリルもあり、感動もある。そしておまけに華もみせてくれる、2時間半あっという間の映画だった。

正直、TVスポットの「届けぇぇぇええ〜〜〜〜〜!!」には、「うっ!!」としたが(笑)、映画の流れの中では問題なかったわ。

問題なのは、あの場面をスポットに、なぜ入れた??それをひとつ問いただしてみたい。どうせなら、カーチェイスとか、拳銃おでこ?こめかみ?とかのが、カッチョイイかったのに。でも、それだと、犯人バレちゃうか。なかなか難しいものよ。


総括すると、たしかに「レンタルしちゃいけません」的映画です。