となり町戦争 2007-2-10公開
監督 渡辺謙作 原作 三崎亜記
DVD 原作本
サントラ 公式
舞坂町VS森見町


江口洋介 北原修路
原田知世 香西瑞希



初日舞台挨拶


何度となく生江口洋介を見てきたものの、今日のビジュアルは2番目によかった。1番目は何か?って・・そりゃあ戦国ロンゲメッシュのヒゲ江口に決まっている。これはもう絶対・・たぶん・・永久欠番ならぬ永遠に1位と光り輝くであろう。(笑)


服装は・・といえば、Tシャツの重ね着+黒っぽいジャケット。監督も含め知世ちゃんも黒だったし3人並ぶとイイ感じだ。1月後半からいろんなとこで試写会やら公開&取材のため、顔を会わしたり、話す事が多かったためか、チームワークよさそげな雰囲気が漂っていた。3人だからねっ!チームワークってほどのもんじゃないけど、1人だけ誰かがはじかれるって感がないのがとてもいい。

江口君はこの舞台挨拶が映画鑑賞後だ・・ということを知らなかったらしい。開口一番、これから見るの?見たの?的な言葉を発した。

「はぁ〜〜〜?????」

青木さやかを呼んで来たいくらいに、激しく反応しちゃったわよ。
いや・・知らないはずはない・・ありえない・・。
たぶん、聞いているようで聞いていなかったのだろう。らしいっちゃらしいわ。

この日の江口君は、なんかヘンだった。
何をもって「ヘン」というの?と聞かれれば・・いやぁ〜〜何って・・言われたってさ・・って感じなのだが。
江口君が落ち着きがないのは誰もが知っていることで、頭ゆらゆら〜腰をふりふり〜指をシャカシャカ〜あんよブラブラ〜〜は、とりたててヘンでもない。いつものことさ〜^。

だけどなんか違うんだよなぁ〜〜、いつもの感じと・・。
司会の女が気に入らないんだろうか・・?と一瞬思ったものの、それほどわけがわかんない質問をしている感はせず、そうでもないらしい。

さすがに「江口さんっ!江口さんっ・・聞いてらっしゃいますか!!?」と言われた時には、もしかしてウケを狙ってんのかっ!!と思っちゃいましたわ。事実ここで大爆笑でしたもん。
すかさず「聞いてないようで聞いてる!!」って返した時は、よっしゃ!やるな〜江口と思ったほどで・・。(笑)

ふてくされてんのか、逆に浮かれちゃって報道関係が入っているなんて、頭に入っていかないのか〜〜ってくらいで、どちらかといえば後者っぽく私は感じたけど、実際はなんだったのかなぁ〜〜。
となり町の映画は、いつになく地方まわって、同じような舞台挨拶してきて、もう飽きちゃったとか・ってわけでもないと思うが・・。

あまりにも上映館が少なくて、その割りにあちこち地方まわって宣伝しているなぁ〜〜と思っていたんだけど、そうか・・上映館少ないから少しでも多くの人に見てもらって、そうすればもうちょっと上映する場所が増えるかしれないって望みもあるんだよね。とにかく3人が和気あいあい〜仲良しにみえるのが、なんとなく嬉しかった。

でも、その・・・いつもと違う「へん?」って感じがする江口君?面白かったから私としてはさほど不満はないんだけど、これでいったいTV取材はどこの部分を使うんだろうか・・?どの部分がワイドショーで流れるんだろうか?流す場所があるんだろうか・・と(爆笑)。

上映場所がホン〜〜っと遠いので、たぶんこの初日1回きりしか見ることはできないだろう〜・・。そう思っていつになく気合入れて映画をみたんだけど・・。2日たった今・・なんとか無理してもう1回見に行こうかな〜〜って思ったりする。そんな映画だ。
というわけで・・本編の感想はもう少し後になりそうです。




公開前

初日・・まずは見に来ることができた・・ということが素直に嬉しかった。正直上映館が告知された時、あまりの少なさに愕然とした。江口君がこの映画に主演すると聞いて、すぐに原作を買って読んだ。「僕」を江口君で想像しながら何度も読んだ。この「となり町戦争」がいったいどんな映像になるのだろう、そして「僕」を江口君はどんな風に演じるのだろうと思い描くだけで、期待でいっぱいになった。そんな毎日を何ヶ月も過ごして「となり町戦争」を楽しみにしていたのに、となり町どころか隣の隣の市でもやってなく・・・(>_<)・・楽しみにしていた分、失望は大きかった。
そのことでいろいろ思うことはあるけど、誰にもどうすることもできない問題なのでここでは触れない。

だから信じられないけど、もしかしたら、この映画は見ることはできないかもな・・と思っていた。そう思いだすと、だったらもう・・見なくてもいいやって投げやりな気持ちがどんどんと広がっていって、そのうち縁がなかったんだ・・って、あんなに楽しみにしていたのが嘘みたいに、さめていく・・というか、萎えていく気持ちでいっぱいになってしまった。

だけど・・・。
最後の最後で、やっぱり江口君が主演している映画を見ずにはいられなかった。
やっぱり・・「見たい」って思った。それだけだった・・。

感想

そんなふうにして「となり町戦争」を見た。

だから感慨深かった。
見る前に、初日1回しか見れない、最初で最後だと自分自身でも思っていたので、たかが映画をみるのに全神経集中させた。おかげでちょい疲れた。
見終わって友人と一言「いいじゃん!!、これ、いいじゃん!!」いつになく満足感でいっぱいになった。江口君もいい・・けど、こういう作品も結構好きかもしれない・・と。

こっからはネタバレ↓


当然ストーリは原作読んでいるわけだから、わかっちゃっているんだけど、それをどうやって映画にしているのか??ってとこがまず気になっていた。
それでまず「おっ」っと目を引いたのが「となり町戦争」のタイトルの出し方。
線路はさんで駅のホームでキャッチボールって・・ずいぶんベタな演出だなぁ〜と・・悪いけど思っちゃったわけで・・でも、線路が分断された瞬間「あ〜〜だから戦争なのか・・。」って自分なりに思ったんだけど、それだけじゃなくってちゃんと町の字に入っている部分が、すっごく気に入った。(見ていない人には、なんのことかわかんないかも・・<(_ _)>)

江口君は「普通の人間を演じるってことが、とても難しかった」って言っているけど、私にはとてもそんな風には感じられなかった。たぶん演じているんだろうけど、演じているなんて感じられないくらい、フツーだった。特に前半、部屋の中でなにげに爪を切っているところとか、広報誌で戦争が始ります。って見つけるところ・・とか。全然力が入ってなくて、きっと素のままやっているんだわ〜〜、なんて思えたくらいだ。←いや、ちゃんと演じていたそうです。(笑)

北原は、広報誌で初めてとなり町と戦争をするっていうことを知るわけだけど、よく考えてみれば、そんなことは絶対ありえないわけで、数年前、少なくとも1年くらい前から、そういうことを町はなんらかの形で、いろんなところで伝えてきているのだと思う。戦争をするのもシュミレーションとか準備ってものも必要なわけだし、それなり議会で可決しなければいけないだろうし(笑)・・。
だけど、そういうことってのは、受け取らなければ知らないままだし、自分から目を向けなければまったく気づかないままなのだ。世の中の動きなんかに、まったく興味を持っていない人は大勢いるわけで、とりあえず「今日の自分」それがまず第一で、後はどうでもいいっちゃいいわけだ。
北原みたいな人って、自堕落でもなんでもなく、ごくごく一般的な人種なのだと思う。

「戦争」って聞いても、さしてピンとこず、それでもやはり「戦争」という言葉は人の心をとらえるもので、何が起こっているのか??と一瞬緊張する。
しかし、人間とは愚かなもので、たいした変化がないとわかるや、すぐに緊張の糸が緩み、元にもどってしまう。だからこそ、戦争は繰り返すのだと思う。

けど、人間にとって何が一番の現実か??といえば、それは「死」なのではないだろうか。
広報誌の片隅に載っている「戦死者 ○名」その文字を見て、「戦争」という2文字が心に身体に飛び込んでくる。それがうどんをすする北原によって、ものすごく感じ入ることができた。

人は面倒なことが嫌いだ。
いきなり町が押し付けてきた戦争偵察業務とやらを断ることはできたのだ。
香西さんは、もちろん、イヤなら断ることはできますよ・・と、ちゃんと言っている。
だけど、いろんな面倒な手続きをしなくちゃいけないし、簡単なことみたいだし・・まぁいいや・・そんな気持ちで、北原は任命を受けてしまう。

だけど、ここで・・・北原修路は「実際に戦争をする人のグループ」になったのだ。本人の自覚のないままに。北原がやっている偵察業務とは、戦争とはなんのかかわりもない毎日だけれど、でも実際そのことが「実戦」の役に立っているわけで、それはもう確実に戦争に参加しているのだ。
それでも本人はそのことに気づいていない。

見ている私もそうだった。
江口君演ずる北原を見ていても、まだ、戦争など実感していなかった。
業務とはいえ、キレイなかわいらしい女性と、ひとつ屋根の下で暮らせる・・わるくないかも〜、一緒に買い物したり、一緒に食事をとったり・・仕事が終わって1人で過ごすアパートの部屋とは、雲泥の差である。戦争が終っちゃってこの生活も終っちゃうのか・・また、1人でアパート暮らしか・・そう考えたら、なんか寂しいなぁ〜〜とか思ったとしても不思議じゃない。
夫婦生活(夜)まで、しちゃうのは、どうなの?と思うけど、原作がそうだからしょうがないが・・(笑)。でも、なんか2人ともイイカンジだし、このまま恋愛モードってのもアリなんじゃない?なんて、ほんわかした気持ちでスクリーンを見ていたものだ。

でも、戦争は確かに起こっているのだ・・ということを後半で物語ってくる。
森見町のアパートから出た時は、まだ戦争は遠くにあった。
この町ととなり町が戦争をしているというのに、戦争は誰かが・・どっかでやっているものだった。
それが銃声の音1発でガラリと変わる。電話から聞こえてくる香西さんの真剣でせっぱつまった声で恐怖へと変わる。そこからの展開は、ドキドキした。
もう、とっくに戦争に加わっている北原が、初めて戦争のど真ん中に身を置いた瞬間・・彼の心臓の音が聞こえてくるようで息をのんだ。

下水路に入っていく瞬間は、上映前の宣伝で、江口君が「臭かった!!臭かった!!」と言っていたのが、アタマに残っていて、思わず笑ってしまった。北原が〜より、江口君、臭いんだろうなぁ〜、汚水の中、足つっこんでいて、、気持ち悪いんだろうなぁ〜〜、靴の中、靴下の中ぬるぬるなんだろうなぁ〜〜とか・・いらぬコトを思ってしまい・・困った。
この下水路の中で、戦争写真マニアの男と絡むシーンがあるんだけど、私は個人的に必要なのかなぁ〜〜って気がした。狂気キャラの人間より、静かな恐ろしさをもった人物のほうが、よかったんじゃないか・・と思う。せっかくの緊迫した空気がぶち壊しだった気がする。そいつに「ぺっ!!」ってやられた後の江口君の顔が・・すっごくよかった。いろんな気持ちが混じっている顔だった。そして下水路から出た時の新鮮な空気を吸うシーンは、ややオーバー気味なリアクションだったんだけど、そのオーバーさ加減がラインギリギリで見事だった。あれ以上やっちゃうと、ちょっとシラケそうで、以下だと印象に残らなそうだ。

脱出劇の最後で主任が現れるとは・・思っていなかった。
そして北原の敵として現れるとは・・、それでもって刃物ふりかざしてくるとは・・見ている私でもびっくりするくらいだから、北原の心情だるや・・・・・。しかも、相手が部下の北原だとわかって、なお、しかけてくるとは・・。そんな誰が見ているってわけじゃないんだから、普通逃がすでしょう〜。お互いみなかったことにするでしょうに。それを戦うっていうことは、主任は壊れているというか、かつで戦争で人を殺した経験から、戦うという快感が消せない人間になっちゃったか・・。

いろんな思いをした北原だけど、唯一自分の中に残っているのが、香西さんとのことっていうのが、この映画みたいだけど、でも、私は見ていて、あの主任との一件が「戦争」ってものを物語るうえで一番北原に堪えたんじゃないかなって思った。一緒に御飯食べ、一緒に仕事をして、まったく知らない人間より、たくさんの共有した時間を持った人間が、「戦争」というたった1つの出来事によって平気で自分を殺そうとする。そして「戦争」が終ると、何もなかったように、元の生活に戻る。普通の人間は、そんなことは耐えられないし、心がついていけない。だって、自分はたまたま運よくもとの生活に戻れたけど、運悪く死んだ人間もたくさんいる。それって・・「運」なの??「運」なのか??

でもね、そういった「戦争」を何度か繰り返すうちに、何度も何度も繰り返すうちに、主任みたいになるんじゃないかな。だからやっぱり、あっちゃいけないことっていう結論に達するのだ。

この映画で実に印象的で心に残っているセリフがある。
なぜ戦争をするのか?戦争をすることを前提に話を進めるのはなぜか?と言う問いに、今まで知らせてあると香西さんが答え「じゃぁ、なぜ反対しなかったのか!!黙っているのは賛成したことと同じだ。それが民主主事のルールです。!!」と断言したことだ。弾圧的な物言いだけれども、私はここが好きだ。好きっていうのはおかしいけれど、背筋がピンっとのばされたような気持ちになる。そうなんだ・・。よく考えればいつもそうだった。

それ「ヘンじゃない?」それ「オカシクない?」そんな時はいっつもあった。
友達と「えぇ〜〜〜〜〜」顔を見合わせた。
でも・・誰も何も発言しなかった。
みんな文句を言いたかったけど、イヤだと言いたかったけど・・黙っていた。
誰かが言ってくれないかな〜と、思いつつ、でも誰も何も言わず、時が過ぎていた。
そんな学生生活を過ごした。
そして、それは大人になった今でも・・たぶん、変わらない気がする。
後でぶちぶち文句を言っても、どうしようもないのだ。

ああ・・そうか・・。
こうやって戦争は起きていくんだなぁ・・・と、この映画は思いわせてくれた。
でも・・時間がたつとまた、何もなかったかのように、元に戻ってしまうのだろうか。
ラストのバルーンのように、同じコトを何度も繰り返してしまうのだろうか。
人間は愚かだ。
でも、平和を願う気持ちはみんなが持っていると思うんだけどな。


初日終って・・結局、もう一度見てみたく・・もう1回足を運んだ。