翼をください 1988年1月3日(日) NHK
ジェームス三木・作 20:00〜22:00


片岡鶴太郎 今岡一郎
宮崎美子 大川篤子
江口洋介 丸山栄作
斎藤隆治 丸山保
森川美穂 丸山恭子
鷲尾真知子 矢吹令子
橋爪功 丸山光政
菅井きん 校長
倍賞美津子 丸山藤子



仕事をしているという意識は全然なく、クラスメート役の人たちと話ができて面白かった。お風呂のシーンで、ディレクターに「何か歌って」と言われてなぜか「北の宿から」を歌って褒められた。

(雑誌江口談)



同じ市にある二つの高校。
ひとつは県立の有名進学高の花房高校、もうひとつは落ちこぼれの入る私立のダメ学校、花房学園

丸山栄作は、そんなおちこぼれの私立学校に通っている。生徒会長になった栄作は、家族に祝福される。自分が落ちこぼれ学校、そして弟の保が県立に通っていることで家族が気を使っていることに複雑な思いでいながらも感謝している。

花房学園では、普通科担当の教師、今岡が文化祭の計画を早く進めるように促すが、みんなやる気がない。毎年、同じ日に開催されるため、県立の文化祭には人があつまるが、自分の学校は周りからバカにされ、人が集まらないという。

自分たちを見下している社会に対して、訴えたいことをドラマにしよう・・ということになるが、なかなか口を開かず前に進まない。

今岡の名を語って、県立の教師、大川篤子にラブレターを出すという事件がおこり、そこで、大学受験を2度失敗した自分の学生生活を語りだす。それを聞いて感動した栄作は、クラスのみんなに文化祭を成功させようと立ち上がる。

1人1人・・落ちこぼれの自分たちを見る偏見と、それに対する自分の気持ちを語りだす。

文化祭当日、客を県立にとられ、栄作たちは宣伝するために出かけるが、途中退学した同級生に出会い、彼らがバイクで県立に乗り込んでしまう。栄作たちは、彼らを止めに県立へ向かうが、殴りこみをかけたと思われ警察に連れていかれ、文化祭が中止になりかける。しかし・・大川先生の働きかけで県立の生徒が花房学園に向う。

そして、文化祭のパフォーマンスの幕があく。




若い・・若い・・若い(笑)
あたりまえにフレッシュ!!

落ちこぼれの学校に通う生徒ってことなんだけど、それでも、そこの生徒会長をしているっていう微妙に賢そうな役が実によく似合っている。先生にもちゃんと敬語を使っているし、家でも自分に気遣う母親に対して、ひねくれもせず、ちょっとだけイイ子なのだ。

この丸山家のやりとりが非常に面白い。
特別面白いことをしゃべっているわけではないけど、ほのぼのとしている。これは倍賞美津子さんのおかあさんの力だと思うのだが・・。

鷲尾さんって・・・きれいだったのね〜驚いた。後に救命の震災シリーズの看護師長とか、大奥で美味でございまする〜〜とかやっちゃうのね。(笑)

みんなやる気がないところに、前にでて、文化祭をやろう〜〜と言い出し、熱く語る若き日の江口君。

ナイ〜ブで感受性が豊かで・・ちょっと冷めていて・・ちょっとあきらめていて。
心のどこかで、何かしたい・・頑張ってみたい・・って思っているのに、そういう気持ちにふたをしちゃって。でも根がまじめで、素直でとってもいい子ってのが伝わってくる。

セリフいいまわしのひとつひとつは、確かに稚拙かもしれない。でも、この若き日の江口君は実に豊かな表情で、しっかり役に入っていた。揺れ動く青春を演じていた。

県立と私立・・エリートとおちこぼれ。
どこにでもある話なんだけど、自分が大人になって思うことは、こんなふうに学歴を気にしている時代は、平和だったのかなぁ。もう、今は学校がどことか関係ない時代になっちゃった気がする。結局社会に出ると、人間としての魅力が最大の武器なんだってことが、大人になってから、だいぶたつとわかってくる。幸福とか豊かな人生とは、もっと別の次元にあるんだってことが、わかってくる。
だけど・・、それを若いときにわかってしまう必要はなく、学校を気にしたり、他人を気にしたり、悩んだり傷ついたり・・そうやって大人から見ると、無意味な時間を過ごすってことが、やっぱりあってもいいと思うし、それがあるからこそ、先にいって、より人間として深いものを身につけていくのだと思う。