WOWOW  私という運命について 2014・3・23(日)22:00〜 
脚本 岡田惠和  全5話   監督 瀧本智行


 キャスト 
 冬木亜紀  永作博美
佐藤康  江口洋介 
佐藤佐智子  宮本信子 
 稲垣純平 池内博之 
 冬木雅人 三浦貴大 
冬木沙織 太田莉菜 
大久保亜里沙  藤澤恵麻 



第1話 

時系列が飛ぶので、ちょっととまどった。

同じ課の後輩女子の結婚式に招待されるのだが、実はその相手が元カレ。

これどうするよ〜〜。
別れて2年・・微妙〜〜だな。
自分には、新しい彼氏ナシってのが、ツライわね。(笑)
しかも、同じ会社&同期、罰ゲームかよっ。

とはいえ、何も知らない後輩女子に、欠席とは言いづらいわぁ。
なんか、結婚できないのをひがんでいるみたいに思われるのもアレだし・・・。
未練がないのなら、とりあえず「出席」するしかないか。

そんな亜紀に、欠席してくれと頼みにくる元カレ康。
ああ〜、かつて恋人同士だった頃、この店でいちゃいちゃしていたのねぇと。
康がイヤなら別だけど、母親が気にしているから欠席してくれって言われても「はぁ?」だよね。そこらへんを亜紀につかれて、「あ、そう・・」と引き下がる康。
わざわざ電話して呼び出したのに、押しが弱いタイプなのね。



2年前の恋人同士だった回想が、これまたせつない。
27歳の2人??亜紀と康は同期ってことらしいので、同じ27歳?だと思っていいのかしら。
二人が27歳に見えるか?ってのは、アレだけど、少なくとも雰囲気27歳で問題ない。(笑)
若い恋人同士?には見える。うん♪

デート中に、いきなり彼女を実家に連れて行っちゃう康。
しかも雪の新潟・長岡まで〜、しかも実家は造り酒屋。従業員の人にも挨拶されて、これはいきなりハードル高っ。

おみやげもちゃんと選びたかったし、着る服も考えたかったし〜〜っていう亜紀の女の気持ち、わかるわぁ〜〜。初めて彼氏の親に会うんだもん。そりゃぁそうよ。

すっかり康の母親に気に入られちゃうわけだが、この母もどうなん??
いきなり、温泉連れていくなんて、ないわぁ〜〜。
亜紀もなかなかイイ人だと思う。
いきなり雪国の実家に連れて行かれちゃうのも絶対ないし、いきなり母親に裸見せるなんて、私だったら絶対無理!!亜紀ったら器がデカイわ。



「康のことは、好きだけど・・・・」

「結婚するほど、好きじゃない・・・」by亜紀

康、ポカーン。

こりゃぁ、一番ないわぁ。
だって、実家に連れて行ったし、当然、結婚してくれると思ってプロポーズしたってのに、結婚するほど好きじゃない・・って、ヒドすぎる。(>_<) 康が気の毒過ぎる。

普通、この展開だと、怒るでしょう〜〜。
「え、なんで!!??どういう意味??」的に。

それをさぁ〜〜「そっか・・・・」 「送っていくよ」

あぁ〜〜、男の価値って、こういう瞬間に決まるのね。
亜紀、アンタはみずから、輝くお宝を手放しちゃったのよ。

とはいえ、結婚式当日に、息子と一緒になってほしかった〜的な手紙を送ってくる康の母親、怖っ。確かにフったのは亜紀だけれど、2年もたって、しかも結婚相手も決まって、今言う??別れてすぐの手紙ならまだしも。ちょっといただけないわぁ。

そして、時は流れて・・・・亜紀32歳。
康が結婚してから3年後ってことね。
亜紀は、福岡支社へ転勤。

亜紀には、純平という男が・・できた。(笑)
自信家で野心に燃えて、ワイルド。
優男の康とは、正反対のタイプらしい。

なんたって、ベットインの後に、スッポンポンでお尻みせておトイレにいっちゃうんだもの。
康には、絶対出きない芸当だわ。(-_-)/~~~

出張先のクアラルンプールで、32歳になった亜紀と康は再会。
久々の出会いにお茶しながら、亜紀の新しい男が、自分と正反対のタイプだと知る。

亜紀に、結婚生活のこと聞かれて、うまくいっていると答えていたけれど、な〜〜んとなく歯切れが悪い感じがして、ひょっとして別れたんじゃないの??
それにしても康がコンコン咳してるし、なんか嫌な予感がする。

康がチラっと時計を見たのは、時間ではなくて、日付だったのね。
明日が、亜紀の誕生日だってわかってて、食事に誘ったんだわ。

でも、仕事で遅れて、結局エスカレータでのすれ違い。
まさか、純平がでっかい花束かかえて、亜紀に会いにやってくるとは・・・。
ホテルのドアをあけて、びっくりした複雑な亜紀の顔が、印象的だった。
この時、うれしかったの?ガッカリしたの?どっちなんだろう。どっちもまざっていたのではないか。もうロビーで、純平と康が鉢合わせしちゃったら、どうすんだろうとドキドキしちゃった。

亜紀のために、小さな花束を買って走ってきた康が、一足早くエスカレーターから降りてくる亜紀と純平を見つける。一瞬ですべてを悟り、あわてて背中に花束を隠す。エスカレーター登り切って、少し口元を緩める。その顔には汗が・・・。

もうこの描写だけで、康の人間性と心情が凝縮されている。
せつなさが、胸にこみあげてくる。

私という運命〜〜ってタイトルだけど、康との結婚を断ったのも運命、誕生日のこの日にすれ違ったのも運命。そして、この先の亜紀の運命が、康の運命が・・・知りたくなる。


 
 第2話
 
1998年冬 33才

人間って、つくづくわからないものね。
1年たつかたたないかで、人生がガラっと変わっちゃう出来事がおきるって・・・。

あの後、亜紀は康になんか言ったのかしら〜。どうであれ約束すっぽかしなわけだから、ゴメンの一言でもしろよ〜とか思ってるのに、あんなことなかったかのように、亜紀と純平LOVE&LOVE♪から入ってくると、こっちとしては、クソっ!!とか思っちゃう。(笑) まぁね、27歳の時に亜紀と康は終わっているわけだから、女の気持ちとしては、康は過去の男ってことで、どうでもいい存在なのよね。

亜紀の作っているチャーハンが、全然美味しそうに見えない。
ピーマンでも、ニラでもいいから、緑色のモノ入れろよ!!と、見ている奥様方はツッコンだはず。愛する女の手作りならば、そんなもん、不味かろうが美味しくなかろうが、超ウマイ!!なんだろう。そしてそのチャーハンを食べ、プロポーズをし、亜紀がOKを出し〜〜最高潮で、じゃぁねバイバイ〜〜で、ドーン!!ガッチャ〜〜〜ン!!

この流れなんですが、雨の中誰かを車で轢いちゃったらしい&純平っぽい人が・・ってのが予告でバンバン流してくれちゃってるわけでして・・・。
そうなると急な展開にドキっ!っとはならないわけよ。

もう実況気分で、あ〜〜雨だ、純平キタ〜〜〜〜〜〜!!
もう帰る?帰っちゃうの??
マジ??
いやぁ〜今帰らないほうがいいんじゃね?
雨だし〜〜

うわぁ〜〜車に乗っちゃったよ〜〜〜、うわぁ〜〜〜!!

別の意味で、心臓ドッキン、ドッキンさせながら見た。




純平が轢いたのは、亜紀&純平の友達の高校生のあすかちゃん。
こっからの流れが、あまりにもあまり・・なんで、いろんなもんが止まった。

事故を起こして、それがまた知り合いで、人間パニックになるのもわかる。たぶんね、純平のアタマが、きっとこの時オカシクなっちゃっていたんだろうよ。
だからオタオタ、呆然となるのもわかる。
なかなか救急車を呼べないのもわかる。

でもねぇ・・・・・・・。
でもねぇ・・・・・・。
でもね・・・・なんだよ、これが・・・。

目の前に死にそうな人がいたら、人間というのはたぶん、目の前の死にそうな人を心配をする。そういう生き物だろうと、あたりまえのように思っている。

それができない・・だけならまだ許せる。
だって、自分だって思っているだけで、実際できないかもしれないからだ。

けど、純平は、死にそうな人より、まず、わが身を心配した。
仕事がダメになる・・融資してもらえなくなる・・・・。

ここで、一歩後ずさりする。



そして、亜紀に自分の身代わりを頼んだ。
自分の罪をかぶってくれってことよね。

ここで・・・やっぱ・・・オシマイなんだろうね。


時間がたって、我に返った純平が、どんなに後悔しても、オシマイ。
印象的だったのが、「もう無理だよ」って言う亜紀に、純平が「俺を見捨てるのか」って言うところ。

こういう突発的な出来事で、愛を捨てる亜紀の中で、純平に対してちょっと申し訳なさというか、可哀そう的に思う部分が、少しはあったように思う。
「もう無理だよ・・・」って言う中に、「ごめんね・・」って言う思いもあったような気がする。

けれど、純平の「俺を見捨てるのか」って一言で、そんな後ろめたい思いも無用だったと、スパっと切れたんじゃないだろうか。私は、こんな男と結婚しようとしてたのか・・って。


2000年、夏 亜紀35才・・ええ〜〜っと、エスカレーターで花束隠した康と別れて約3年??
博多から東京へ戻って1年半くらいか。義妹が心臓病で妊娠。出産には耐えられない身体なのに、産もうとしている。あ〜〜〜、だからさ、産むの産まないのじゃなくて、なんで妊娠するわけ??と。この手の話、いっつも思うわ。戦時中じゃあるまいし、21世紀だよ〜〜避妊なんていくらでもできるじゃん。

ラストが、可哀そうなことになっている康の回想で終わる。

ニューヨーク支社で働きながら、肺がんに治療を受けている康。
コンコンと咳をしながら、デスクに手をつき、すぅ〜〜はぁ〜〜胸を押さえて苦しそうに息をする康。


これだけのカットなのに、この2話が、孤独に闘っている康の姿ですべて塗り替えられていく。



 第3話


 純平と別れて、3年後?
2001年 亜紀36才か。すると、康と別れて7年&エスカレータすれ違いから4年かぁ。

純平との恋愛もなかったかのように、ニューヨークにいる肺がんの康を気にしつつ、心臓病の義妹・沙織の出産に向けて応援する亜紀。

亜紀の運命にからめて、沙織の運命の回でもあったのかな。
無事出産できるか、生まれたとしてその子が大人になるまで生きていられるのか・・・自分が亡くなった後、誰が子供の面倒を見るのか〜うんぬん沙織の口から語られていくわけだが、それでも子供を〜〜って思う沙織の気持ちは、わからないではないけど、そこに共感できるか?っていうと、私は難しいな。

結果として、子供も亡くなり、沙織も亡くなってしまう。
この、どこに救いがあるのか・・・難しくて言葉が見つからない。

病院にかけつけた、沙織の夫である雅人と、亜紀・亜紀の両親、そして沙織の両親。
この中で、沙織の両親はどんな気持ちでいるのかと思うと、この現実でよかったのか、本当にこれが沙織の運命だったのか・・って思ってしまう。

沙織の死後、自暴自棄になって酒びたりになる弟の雅人。
雅人を見ていると、男って弱いなぁ・・・と感じる。

だって病気だってわかっていて、結婚したんでしょ・・・。
出産はできないってわかっていたのに、妻に産むって言い張られて、あそこまで言われたら、止められないよって合意したんでしょ・・・。

血も涙もないけど、妊娠ってのは、男の強い心ひとつで避けられたはず。
それを運命だとごまかされたくないな。

康が同僚から、やたら可哀そうなヤツと噂されているけど、社内報に自分の仕事を語る康の写真からは、そんな可哀そうなヤツ感は漂ってない。離婚した&ガンになったって事実だけが、可哀そうなヤツになるんだろうな。

最後にちょっとだけ出てきた康は、妻もいないで、ガンと闘いながら仕事をしているけれど、全然可哀そうなヤツじゃない。別れた亜紀の営業への復帰に、微笑むことができるし、充実感にあふれて仕事をこなしている。そしてなにより、再び、亜紀に恋されている。全然可哀そうなヤツじゃない。
雅人を見て、男って弱いって思ったけど、間違えた。若さゆえが弱いってことなのかな。

人はいろいろ経験し、くぐり抜けて強くなっていくのだろうか・・・。



そんな康を、9・11は襲うというの???
そんなの・・・・許さないわ。

 第4話
 
2001・9・11 ニューヨークのテロで、社員の無事がなかなか確認できず、海外事業部がてんやわんや。駆け付けた亜紀が差し入れのために、コンビニでパンだのおにぎりだの無造作にボンボン買い物カゴに入れていくのが、とてもリアルだった。そして信号が青とはいえ、横断歩道のど真ん中で、いきなり立ち止まって、携帯電話取り出して、康にコールする姿は、逆にありえなさすぎた。
つながらないだろう携帯に、あえてかけたくなる気持ちは大いにわかるけど、なにもアンタ、横断歩道渡っている途中で、立ち止まらなくてもいじゃん。そんだけ動揺してるってことなんだろうが。




「佐藤康さん、無事、確認とれましたっ!!」

その声を聞き、顔をゆがめて部屋から出ていく亜紀。
声あげて泣いちゃいそうだったのよね。わかるわかる。こういう時って、こういう感じなのよ。
会社と連絡つかないから、新潟の実家に連絡いれたっていう康・・もう、ホント、驚かせないでよ。でも無事でよかった〜〜〜。

それから半年ちょっと??
亜紀は仕事で康のいるクアラルンプールへ。
もう、37才になっちゃったよ〜〜〜。

康はいつのまにか、クアラルンプールの所長になっているのか。
全然所長っぽくないんですけど〜〜(笑)
仕事の後2人で食事にいくんだが、康が酒飲むたび、焼き鳥にかぶりつくたび、胃ガンなのにそんな飲み食いして大丈夫なのか??と思ってしまった。ガンってこともあって、ちょっとやつれた顔立ちっぽくなっているのに、食ったり飲んだり、雨の中走ったりするんだもん。健康的すぎるよ。(笑)


亜紀が康にあったら、謝りたいと思っていたってのは、プロポーズを断ったことだと、すぐにわかったけど、お願いしたいことがあるってのが、まさか逆プロポーズとは・・・。
いきなり結婚してください!!に驚いた。

そりゃ・・ダメだよ。by康

自分がガンに侵されているとわかった時、亜紀に会いたくてたまらなかった by康

でも、俺はそれを乗り越えた。やっとの思いで、亜紀への気持ちを吹っ切った by康

この流れが、亜紀が知らない康の、空白の数年間の人生がつまっていて、せつなかった。

実は・・・現地の女と結婚したんだ・・とか、いうんじゃないかとドキドキしたけど、自分がガンだから幸せにできないってことなのかな。康も今でも亜紀に気持ちがあるのか、そうでもないのか、この時点でははっきりつかめなかった。亜紀が帰国してから、オフィスで窓の外を見る康の姿に、ちょっと孤独を感じた。


そして亜紀は仕事をやめて、康のもとへいく。
昼に着いて、夜まで会社の前で待っている亜紀。
そこまで深夜でもなかったのに、自動車がそれなり走っていたのに、信号はとっくに青になっているというのに・・悠々と、いや必死に康の乗った車をおいかけて、車道を走る亜紀。
おまけに、亜紀を見つけて、車から降りて全力疾走しちゃう康。

チューして抱き合って、LOVE&LOVEするのもいいけど、胃ガンうんぬんより、車に轢かれて死んでしまったらどうすんだよぉ〜〜。

2度も断れないだろ・・(逆プロポーズ) by康

また、このセリフが、たまんないのよ。 いいわぁ〜〜〜。

余談だけど、江口君ったら、また永作さんの唇ちょっとずらしぎみにチューしていた。ランチの竹内結子とのチューも同じだったなぁ。こういうところが、なんとなく康の性格とリンクする気がする。気遣いの男なのよ。(^_^)/

2人で日本へ帰って、新潟のお母さんのとこに・・・・。

囲炉裏をかこんで、息子の体調を案じつつも、「康は大丈夫・・大丈夫だよ・・・」
息子のほうは、その言葉に「ありがとう・・・」と小さくつぶやく。
台所で、亜紀の両親が康との結婚を納得していると聞いて、「ありがたい・・」と涙ぐむ。

息子の前では気丈に振る舞っているけど、どんだけ心配していることやら。
なんたって、一人息子、外国で仕事しているってだけでも心配なのに、ガンにまでなっちゃって・・・
もう仕事なんかやめて、帰ってくればいいのに、ウチの仕事手伝いながら、のんびりしてくれればいいのに・・・とか、思っても、きっと言わないんだろうなぁ。

10年前に、康より仕事を選んだ亜紀。
10年たって、その仕事を捨てて、康のもとにやってきた亜紀。

急に生き方を変えるなんて、おかしい・・・、なぜ亜紀は会社をやめてしまったのか・・そんな感想をいくつか目にした。私は逆に、亜紀が会社をやめて康のもとにやってきたことが、ものすごく理解できた。
10年前は、亜紀にとって一番大切なものは、仕事だった。だから康を手放すことができた。
でも、時を重ねて今、亜紀にとって一番大切なものは、康になったんだと思う・・・。
生き方とかうんぬんの問題ではないのではないかな。


康の定期検診・・・・心配だけど、再発していないといいな。
予告では会社をやめていたみたいだけど、あれはガン再発じゃなくて、実家の造り酒屋を継ぐ決心をしてだといいな。きっと生まれてきた子供を胸に抱く康を見れると信じたい。

 第5話 最終回
 

「転移は認められません。ほぼ完治です」by医者

ガン再発してんじゃないか・・・悪くなってんじゃないか・・と、先週も先々週も不安に思っていたこっちとしては、とりあえず今そう言っているけど、あとで亜紀だけ呼ばれてで「実は・・・」とか、亜紀は再発を先に聞いていて、医者とグルになって一芝居うってんじゃないだろうか・・とか、アレコレ疑念抱いちゃって、完治を素直に喜べず、なんか損した気分(笑)。

だってさぁ〜〜、転移はともかく、完治とか言われて、ちょっとズッコケちゃったわよ。そりゃぁ、転移しないことを祈っていたし、よくなることを願っていたけど、ヤバイフラグをバンバン立てられていた手前、「治っちゃった!!」ってことは想定してないもん。今のところ小康状態ってのが、ベストなんだと思わされていたのよね。ホント騙されたわ。(^_^)/ ま、嬉しい誤算ってヤツね。

きっと康自身も、実感として喜びがすぐには湧いてこなかった気がする。
病院をハシゴして、亜紀の妊娠確定した瞬間に、自分の血をわけた子供ができたという喜びと、自分が生まれてくる子供の父親として、これからも生き続けることができる・・、そこで初めてガンに勝ったことの喜びを実感できたのではないだろうか。あの涙は、単に子供ができて喜んでいるんじゃなくて、深くて重い〜〜意味があるのよ、うん。


ものすごい重大な日だっていうのに、長岡のお母さんに連絡もせずに、康ったら酔っ払ってイビキまでかいて寝ちゃって・・。親がどんだけ一人息子の身体を心配していると思ってんのよ!!病院の廊下で電話して、まっさきに報告すべきじゃないか・・。ホント、のんきな男よ。(笑)
その分、亜紀がしっかりサポートして、ガンの完治も妊娠も知らせてあげたから、いいとしよう。

亜紀の父のお願いとやらで、亜紀はウエディングドレス姿に・・・。
39才のウエディングってことで、ちょっと照れてたけど、トシなんか関係ないわ。女はいくつになってもウエディングドレス着たいものなのよ。バージンロードのシーンで、亜紀が「右、左、右」とカチカチのお父さんをリードするのだが、一歩間違えると、お父さんの介護&リハビリよねぇ。
思えば10年前も、康はタキシード着ていた。あの時は白くて若々しくて、爽やかだったけど、今回は渋い。そして、10年の重みがある。



亜紀のお腹の赤ちゃんも順調で、康は長岡に帰る決心して、ソッコウ会社辞めて〜〜。


会社を辞めてから数か月の夫婦二人の楽しい日々。
あ〜〜、康って理想的なダンナさんだよなと、改めて知らされる日々。
決して若くないのに若夫婦みたいな毎日。

デカイ図体して、歯磨き粉シャツにつけて、亜紀に「子供なんだからぁ〜〜」と言われてる。
こういうのが、幸せっていうもんなんだよ〜〜と、世界中の人々に教えてあげたい。


ガンには勝ったけど、なんか黒い雲がどんどんせまってくるようだった。


長岡まで講演会に行く康を、見送る亜紀。

振り返り「ありがとう」と康が言う。

その姿に、あ〜〜これが康の最後の姿なんだなと・・・・思った。





亜紀が出産している最中の地震で、康は命を落とす。

「亜紀、よく頑張ったな・・」 

亜紀に聞こえたこの康の声が、絶命の時だったのか・・・。

康の遺影が・・つらい。
あまりにも、康の人柄あふれた写真で・・つらい。
あまりにも、康の死に顔が美しくて・・つらい。

安産祈願に立ち寄った神社で、地震にみまわれて死んじゃうなんて・・。

せつない・・・。






結婚を考えていた恋人にふらて、別の女と結婚するもすぐ離婚。
仕事にうちこめば、他国にてガンになる。
再び縁あって元の恋人と結婚し、ガンもなおり、妊娠も知り、さぁ〜これから幸せになるぞ〜〜って時に、わが子の姿も見れずに地震にあって死んじゃう。

こう書くと、運の悪い可哀そうな男・・となる。



でも、康の人生って、こうも言えるのではないか?



結婚を考えていた恋人にふられてしまい、落ち込むものの、気持ちを切り替えて仕事に打ち込めた。
そうこうしているうちに、年下の愛らしい女性と恋愛し、結婚することができて、よかった。

新たな気持ちで海外で仕事を頑張るが、妻とうまくいかず、すぐに離婚してしまった。
外国で1人は寂しいが、仕事がそれをふきとばしてくれると、懸命に働いたらどんどん出世した。

けれど突然の出来事がやってきた。ガンと告知され、かなりのショックをうけてしまった。
落ち込みながらも、まぎらわせる意味もあって、治療を受けながら仕事に没頭した。
いつ命の終わりの宣告がくるかわからない不安の中で、これも運命と受け入れ耐え続けた。

そんな中、昔の彼女と仕事で再会した。

その彼女にいきなり好きだと、結婚してくれと告白される。驚き、気持ちは高鳴るものの、ガンを患っている身としては、自分と人生を共にしてくれと言えるはずもなく、ここはやせ我慢で追い返した。
1人で生きていくことを選んだものの、そばにいてほしかった気持ちが湧いてくるたびに、これでいいんだと自分に言い聞かせ、毎日を精一杯生きようと改めて決心した。。


ところが彼女は、仕事を捨て日本を離れ、再び自分の目の前にやってきた。
彼女はすべてを置いて、自分を追ってきてくれた。あきらめていた自分の幸せがやってきた。


結婚して幸せいっぱいの中ではあるが、ガン再発の不安がおしかかっていた。
けれど、そのガンにも打ち勝ち、おまけに妻が妊娠で、本当の意味で、夢のような現実が、本物になった。

ガンからの生還で、せっかくもらった自分の命、そして新しく生まれてくるわが子の命。これからはその命を大事に生きようと、さっさと会社をやめた。そして大自然に囲まれた実家の仕事を継ぐまでの間、おおいに妻との生活を楽しんだ。


今までの海外勤務の経験をかわれ、あちこち講演に出向き、自分が頑張ってやってきた仕事が糧になっていることを知り、ちょっと誇らしかった。生まれ故郷での講演にも呼ばれた。実家によって母にも会った。

ところが・・・講演にでかける途中で地震にあってしまい、命をおとしてしまった。

子供をこの目で見ることは、かなわなかった。それが残念だ。

が・・・・。

考えてみれば・・・

出がけに愛する妻に「ありがとう」と言葉を残すことができた。

田舎の母親に「妻や生まれてくる子供を頼む」と言い残すことができた。

なにより最後に、神社で安産祈願ができた。
愛する妻の出産を、生まれてくる子供の幸せを祈ることができた。

伝えたいことは、全部伝えられていた。


これが、康という人生。

これは、運のない可哀そうな男の人生・・・ではない。

どんな困難が起きても、1つ1つクリアして、精一杯自分の人生を生きた、素晴らしい男の人生ではないか。

そして、そのDNAは、歯磨き粉をつけすぎて、シャツにたらしてしまう康一郎クンに、ちゃんと受けつがれている。

そうよ、なんたって康一郎クンの半分は、康で出来ているんだから・・・。

康の姿はそこにいなくても、康一郎クンの中に、お父さんとして存在している。

だから・・・可哀そう、なんかじゃない!!